国土利用計画と土地利用基本計画

国土利用計画法上、国土利用計画には全国計画、都道府県計画、市町村計画の三種があります。全国計画は、国が全国の区域について、国土の利用に関する基本的事項を計画に定めるものであって、内閣総理大臣が、国土利用計画審議会と都道府県知事の意見をきいて案を作成し、閣議決定を経て定める。内閣総理大臣は、全国計画の案を作成するにあたっては、国土利用の現況および将来の見通しに関する調査を行なうとともに、都道府県知事の意向が十分に反映されるよう必要な措置を講じるものとされています。全国計画は、国土利用に関する他の国の計画および都道府県計画の基本となるものです。都道府県計画は、都道府県が都道府県の区域について国土の利用に関し必要な事項を計画に定めるものであって、あらかじめ、市町村長の意見をきかなければならないほか、市町村長の意向が十分に反映されるよう必要な措置を講じるものとし、また、国土利用計画地方審議会の意見をきくとともに、さらに都道府県の議会の議決を経て定められます。都道府県は、計画決定後、遅滞なく、内閣総理大巨に報告し、その要旨を一般に公表しなければなりません。内閣総理大臣は、この報告を関係行政機関の長に送付しなければならず、関係行政機関の長は都道府県計画について意見を申し出ることができ、この意見の申出があったとき、内閣総理大臣は、関係行政機関の長に協議するとともに、国土利用計画審議会の意見をきいて、都道府県に対して、必要な助言または勧告をすることができるものとされています。都道府県計画は市町村計画の基本となります。

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土地

市町村計画は、市町村が市町村の区域について国土の利用に関して必要な事項を計画に定めるものであって、都道府県計画が定められているときはこれを基本とするとともに、地方自治法二条五項の基本構想に即するものでなければなりません。また、市町村が、市町村計画を定める場合には、あらかじめ、公聴会の開催など住民の意向を十分に反映させるために必要な措置を講じるものとし、さらに、市町村の議会の議決を経なければなりません。市町村計画を定めたときは、市町村は遅滞なく、これを都道府県知事に報告し、その要旨を一般に公表しなければならず、この報告をうけたとき、都道府県知事は、国土利用計画地方審議会の意見をきいて、市町村に対して、必要な助言または勧告をすることができるものとされています。
土地利用基本計画は、国土利用計画法上、都道府県知事が、その都道府県の区域について定めるものであって、その策定手続、内容、性格等に次のような特色がみとめられます。都道府県知事は、土地利用計画を定める場合には、あらかじめ、市町村長の意見をきかなければならないほか、市町村長の意向が十分に反映されるよう必要な措置を講じるものとし、また、国土利用計画地方審議会の意見をきくとともに、関係行政機関の長に協議したうえでする内閣総理大臣の承認をうけなければなりません。土地利用基本計画は、上記の全国計画を基本とするものとする。土地利用基本計画の内容は、都市地域、農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域の五地域を定めることと、土地利用の調整等に関する事項を定めることです。前者は、縮尺五万分の一の地形図上に図面表示され、後者は文章表示されることになっています。前者の五地域については、それぞれ別途に開発行為等の土地利用行為を規制するため、個別の法律にもとづく地域制がすでに存在しています。都市計画法にもとづく都市計画区域や市街化区域、市街化調整区域の区分、農業等振興地城の整備に関する法律による農業振興地城、森林法にもとづく保安林、保安施設地区などの地域、自然公園法にもとづく国立公園、国定公園などの地域、自然環境保全法にもとづく自然環境保全地域などがそれです。これらの五地域は相互に重複する場合がありうりますが、重複地域について重複理由を明らかしたり、重複地域における土地利用の調整などの必要事項が後者によって示されることになります。
土地利用基本計画の性格ないし効果は、国土利用計画法上、土地の取引規制における価格規制と並ぶもう一方の用途規制の一内容とされ、そのかぎりで規制基準となっていることです。つまり申請または届出に係る土地に関する権利の移転または設定後における土地の利用目的が土地利用基本計画その他の土地利用に関する計画に適合しないことが、規制区域における土地取引の許可の消極要件とされ、また、広くその他の地域において、取引中止の勧告その他必要措置を講じるべぎことの勧告をすることができる要件とされています。従来の上記の都市計画法などの個別の法律が、開発行為等の土地の利用行為の段階で用途規制を行なっているのに対して、ここではそれ以前の土地取引の段階で用途規制を行なっているわけです。また、用途規制の内容として、その他の土地利用に関する計画と並んで土地利用基本計画をあげていることに照らしてみると、土地利用基本計画における用途規制の内容は、従来の個別法にもとづく、その他の土地利用に関する計画による規制とは異なる独自のものの存在がみとめられているかのようですが、この点は必ずしも明確とはいいがたく、土地利用基本計画は、従来の個別法にもとづく五地域の地域区分を内容とし、土地利用の調整等に関する事項を内容とする結果として、従来の個別法にもとづく土地利用計画の上位計画としての性質をもつものとされています。

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