造成地の賃借と権利金の前払い

土地会社が、山林を宅地に造成して土地を貸すといっています。まだ、造成に着手していないのですが、もし今1平方メートル2万円の割で代金を払っておけば、宅地となったとき、私が指定する部分200平方メートルを優先的に貸すといっています。その話に応じてよいものでしょうか。確実に土地を貸しててもらえるようにするには、なにかよい方法があるでしょうか。また、土地会社が違約したときには、どうすればよいでしょうか。
宅地造成予宅地の分譲予約や賃貸予約はめずらしくありませんが、法律的にみますと、あまり安全なものではないのです。まず第一に、賃貸の申出をしている人が、土地所有者かどうか、を確認しなければなりません。といいますのは、土地所有者が、自分で宅地造成業者に工事をやらせているだけなら問題ないのですが、不動産業者などが、土地所有者と売買契約を結んだだけで、売買代金も払わず登記もしないまま工事をはじめ、分譲や賃貸の予約を広告したりしていることもあります。こんな場合ですと、後で所有権が不動産業者になかったということになって、借地の予約は実質上無意味になり、権利金も確実には取り戻せないおそれもあります。次に、宅地造成中、特に山林の宅地造成中は、将来地形がかなり変わる可能性がありますので、場所を特定させることが困難なため、予約借地権の安全を保障してもらう手段などが、十分存在していないということなのです。

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土地会社のなかには、信用度の低いものがたくさんあることは、周知のとおりです。ところで、その会社が、宅造工事に着手しないとか、だらだらとしか工事をしない、といった状態にならないようにするには、どうしたらいいでしょうか。この場合には、まず、第一点、つまり、従来の土地所有者とその土地会社との間に、なにかトラブルがないか、ということをあらかじめ調べてみなければなりません。そうして、もし、そういうトラブルはないとか、あっても、土地会社のほうが法律的に正しい、ということになれば、一応安心してよいでしょう。土地会社のほうが法律的に正しいというのは、すでに所有権が土地会社に移っているとか、移っていないけれども宅地造成工事を許容しかつ造成後の譲渡契約が完成している場合などです。この場合、登記がなくとも、土地所有者から土地会社に所有権が移っていることは認められますが、登記がない場合には、土地所有者がさらに別の第三者にその土地を譲渡してしまうと、けっきよく土地会社の権利は消滅し予約借地権者の権利も消滅してしまいます。
次に、このような故障がないので、借地権の予約をし権利金を払ったのに、約束の日までにまにあうように宅地造成工事に着手しなかったら、裁判によって強制することができます。工事の進行が遅れているときも、同じように考えていいでしょう。また、強制することをあきらめ、土地会社に損害賠償の請求をして決着をつけることも可能です。この場合には、権利金ももちろん返還してもらえます。ただし、土地会社が損害賠償や権利金の返済をするだけの資力がなければ、実際上はどうにもなりませんが、また、特約で禁じられていなければ、予約借地権を他人に譲渡し、自分は身をひくことも可能ですが、このようなトラブルのある借地権を満足な対価で譲渡することはむずかしくなるでしょう。
宅地造成工事前に、借地権の本登記または仮登記をしておけば、宅地造成後第三者にむかっても対抗することができます。しかし、この登記の効力は、どうしても、あらかじめ登記していた土地の登記簿上の住設に拘束されますから、宅地造成後別の場所をのぞんで見ても、登記河上の対抗力はその別の場所にまではおよんでこないのです。したがって、契約書には、あらかじめ最良地とおもわれる場所を200平方メートル選んでかりに指定して、そこに借地権の登記をしておき、さらに、土地会社との契約で宅地造成後に希望地を変更する権利を留保したうえで、希望するかもしれない第二の土地に借地権の仮登記をしておけば、まず安全といえましょう。
このように、事前に登記をして予約借地権に物権的な力をもたせ、また土地会社の違約に対しては裁判で工事を強制するというのが、もっとも本来的な権利実現の方法なのです。しかし、そのような手段がとられないというときには、違約に対する手段は、土地会社から金銭による賠償をとるしかありません。そのためには、違約金の特約を結び、さらに、その土地、またはその土地会社の所有する他の土地や財産などに抵当権を設定し、登記をしておくとか、しっかりした保証人を立てさせるとかの方法もありますが、土地会社がこのような方法に応じてくれるとはあまり考えられません。また、実際問題として、違約するおそれのある土地会社との違約金の特約ほど無意味なものもありませんから、違約金の特約には、あまり期待しないほうがいいでしょう。重大なのは、土地会社の信用や資力を調べて、あぶない会社の相手にならぬことです。むしろ、警或すべぎは、こちらの違約に対する違約金の特約なのです。このほうは、かしゃくなく追及されとりたてられることも覚悟していなければなりませんから、その点契約書を作るときにあらかじめよく注意することが肝心です。

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