借地契約の保証人

一般に、保証人というのは、法律や契約の定めによって、金銭を支払うとかその他一定のことをしなければならない義務を負っている人(債務者)が、その義務を果たさない場合に、その債務者に代わって、金銭を支払うとか、債務者がその義務を果たさないことによって相手方(債権者)がこうむった損害を賠償するように約束した人のことをいいます。金銭を支払うこと以外は、一般に、他人が債務者に代わってすることに親しまないので、結局保証人は、金銭を支払うということで、債権者に満足を与えるということになるのです。
ところで、保証人には、連帯保証人と普通の保証人とかあります。保証人は、本来債務者が義務を果たさないときに、はじめて責任を問われ、債務者のために金銭を払ったときは、債務者にこれを請求することができるという立場にあるものです。したがって、保証人は、特に決めなければ、債権者から請求を受けた場合でも、まず、債務者の方に請求してもらいたい、とか、債務者には財産があるから、まず、その財産を差し押えてもらいたい、といって、一応は金銭の支払を拒むことができ、また、保証人が何人かいるときは、頭割りで、責任を負うことになります。
これに対し、連帯保証人の場合は、債権者に対する関係では、債務者とほぼ同様の責任を負うことになるのであり、債権者が、債務者に請求しないで、まず保証人に請求した場合でも、ただちにこれに応じなければなりません。また、保証人が何人かいても、それぞれ、債務の全額を支払わなければなりせん。ただ、保証人が債務を支払ったときは、その金額を債務者に請求できることは、普通の保証の場合と変わりはありません。

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土地

借地契約は、特別な事情がないかぎり、少なくとも二〇年とか三〇年の長期にわたって継続し、事実上は、借地上の建物が立腐れになるまでは、借地権が消滅しないといってよいでしょう。それですから、借地人が、契約を守るかどうかということは、地主にとっては重大な関心事であるわけです。特に、地主がその土地を自分で使うことができないのですから、地代が確実に支払われるか否かは、地主の財産が財産としての効用を果たすか否かという基本的な問題に連なるものです。しかも借地契約が長期にわたる以上、借地人の資産や収入状態が悪くなるということも考えられるわけです。
また、借地人が契約を守らない場合には、地主は、借地契約を解除することもできるのですが、事実上、なかなか借地を明け渡してもらえない場合が多いことも否定できません。そのために、地主は、その土地を利用できなかったり、処分できなかったりして、損害をこうむることになるのですが、土他の価格が高くなっている現在においては、その損害額が巨額になって、借地人だけではとうていこれを支払いきれないような場合も生じてきます。
そこで、このような場合を予想し、地代が確実に支払われ、またはこうむった損害が完全にうめられるように、借地人のための保証人を立てさせることが、通常行なわれています。保証人は、ここに述べたような目的で立てさせるのですから、十分資産や資力のある人を保証人にさせることが望ましいといえます。また、保証人には場合によっては、いろいろな通知をしたり、催促をしたりする必要があることも起こりえますから、なるべく借地に近い場所に住んでいる人を保証人にたてさせるようにしたらよいと考えられます。そうして、なるべく地主に有利にしようと考えるならば、保証人を複数とし、かつ連帯保証人とすればよいと思われます。
保証人を立てる契約は、地主と保証人となろうとする人との間で結んでもよいのですが、通常は、地主と借地人とが借地契約をするとき、保証人がこれに加わって、三者連名の契約をすることになっています。これは、借他人に保証人を立てさせた結果でもあり、また保証人に借地契約の内容をよく知らさせるためでもあります。
契約文としては、「丙(保証人)は、この契約にもとづき乙(借地人)が負担する金銭債務、および乙が法律およびこの契約に違反し、甲(地主)に与えた損害の賠償について、乙のため(乙と連帯して)、その支払を保証する」と決めておけばよいでしょう。
ところで借地契約は、前述のように、長期にわたって継続するものですから、その期間中に、保証人が死亡したり、その財産状態や資力が悪化するということも考えられます。このような事態にそなえてもしそのようになったら、代わりの保証人を立てさせるか、または別の保証人を追加して立てさせるという約束をしておけば安全です。
保証人となった場合、どういう責任を負わされるかということは、はじめに述べたところでお判りのことと思います。つまり、保証人の責任は、借地人のために金銭を支払うということに尺きるのであり、ようするに賃料などを支払うとか、借地人が約束を守らず、または義務を果たさなかったことによって地主がこうむった損害を賠償するということです。その際、普通の保証人であるか連帯保証人であるかによって、責任の問われ方が違うことも前述のとおりです。
したがって、保証人となる契約をする場合に、まず注意をしなければならないことは、借地契約の内容がどうなっているかということと、自分が普通の保証人となるのか、もしくは連帯保証人となるのかということです。そうして、借地契約は、長期にわたって継続するものですから、その間に、借地人の資産状態や資力が急激に悪化することもありえますし、また、地主が、滞納 された地代の催促を長期間怠ったために、それが巨額となり、思わぬ負債を負わされることもあります。それですから、このような場合には、保証人がやめられるような約束をしておくことも必要でしょう。
借地契約は、借地法の規定や契約で決められている存続期間が経過したときでも、借地上に家が建っていれば、更新されるのが原則です。それでは、借地契約が更新されたときは、保証人はどうなるでしょうか。一般には、更新の場合には、従来の借地関係が、これに付随する法律関係をも含めて、そのまま更新後も存続し、したがって、保証人も引続き責任を負うといわれています。しかし、判例のうちには、契約は全く新しくなると述べているのもありますから、改めて保証契約を結ぶのにこしたことぱありません。

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