借地契約の内容

借地契約では、その当事者、つまり土地所有者もしくは賃貸人と地上権者もしくは賃借人、目的物である土地、地代・賃料などの対価、地上権もしくは賃貸借の存続期間などが、その要素と考えられ、これについての合意があれば、その契約は成立することになります。もっともこのうち、存続期間は、とくに決めなくとも借地法の規定で決まりますから、その合意を必要としないともいえます。
ところが、通常の借地契約では、とくに賃貸借の場合に、賃借人の使用方法などについて様々の制限を加えたり、権利の行使の仕方や義務の履行について詳しい約束がされています。そのうちには、民法や借地法に決められている規定を、契約として採りいれたものもありますし、それとは異なったことがらや、それらの法律に決めてないものもあります。このような契約の条項のうち、借地法に定められている規定と異なり、借他人に不利な契約ないし契約条件は、借地法は、これを定めなかったものとしており、また、借地法の目的に反する特約も、無効なものといわなければなりません。日本の現状では、多くの場合、借地は賃貸借によってなされているので、賃貸借契約を主として、主な条項を掲げて、簡単に注記します。

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土地

当事者の表示と賃貸借の標記、通常、契約の前文として、例えば、「甲を賃貸人、乙を賃借人とし、左記の登条項に従い、賃貸借契約を締結する」というように、当事者を表示する例が多いようです。
目的物の表示、「甲は、乙に対し、東京都千代田区麹町三番町○○番地に在る宅地五六〇平方メートルを賃貸する。」賃貸借の目的物は、登記簿もしくは土地台帳に表示されているとおりに記載するのが適当です。
賃貸する土地が、一筆の土地の一部である場合には、「○○番地に在る宅地五六〇平方メートルのうち二二〇平方メートル」と表示しますが、その区画を明確にするために、現場を実測して作った図面を添付することが望ましいといえます。これは、借地の範囲が不明確なために生ずる紛争を訪ぐことになるからです。
賃料、「賃料は、一ヵ月一平方メートルにつき、金○○円の割合とし、毎月末日限り、甲方に持参して支払う。」支払時期について、特別の約束をしなければ、毎月末に支払うことになるでしょう。特別の約束で前払いにすることもできますし、一年分ないし半年分をまとめて払うようにすることもできます。支払の方法について特別の約束をしないときは、賃貸人のところに持参もしくは送金して支払うことになりますが、特約で、賃貸人が賃借人のところに出向いて取り立てるようにすることもできます。
賃貸借の目的、「乙は、本件借地上に、木造もしくは鉄筋コンクリート造 りの建物を築造するものとする。」賃貸借の存続期間は、「石造、土造、煉瓦造またはこれに類する堅固な建物」の所有を目的とする場合と、「その他の建物」の所有を目的とする場合とでは異なり、これに応じて、他の借地の条件も異なってくるので、この賃貸借が、どのような建物の所有を目的とするものであるかを、はっきりさせておく必要があります。もし、建物の種類や構造を特に約束しておかないと、堅固でない建物の所有を目的とするものとみなされます。
賃貸借の期間、この賃貸借は、平成○○年○○月○○日から起算し、三〇年間存続する。」「賃貸借の期間が満了した場合において、乙は、賃貸借の更新を請求することができる。」賃貸借の期間を約束する場合には、堅固の建物については三〇年以上、その他の建物については二〇年以上としなければなりません。
建物の増・改築についての特約、「乙 は、甲の承諾をえなければ、借地上の建物につき、通常の修繕の範囲を超えて、増・改築をすることはできない。」この特約がないかぎり、賃借人は、借地上に建てた建物を任意に増築したり、改築することができますので、これをとくに制限しようとするならば、このような特約をしておく必要があります。
無断転貸または賃借権譲渡の制限、「乙は、甲の承諾がなければ、この借地を他人に転貸し、または賃借権を譲渡することはできない。」これは民法六一二条に定められているところを、契約により確認したものです。
賃料の増・減額の請求、「賃料が、公租・公課、もしくは土地の価格の昂低により、または近隣の賃料に比較して相当でなくなったときは、賃料の増・減額を請求することができる。ただし、この条件にかかわらず、賃貸人は、この契約成立の日から五年間は、賃料の増額を請求しない。」この条項の本文は、借地法二一条を契約で確認したものです。但書は、賃貸人の増額請求を制限したもので、この特約がありますと、その期間は、増額請求はできません。これに対し、減額の請求を制限することは認められません。
賃貸借の解除、「乙が三ヵ月分以上賃料の支払を怠ったとき、その他法律ならびにこの契約の規定に違反し、または義務を履行しないときは、催告を要しないでこの契約を解除することができる。」賃貸借を解除するには、通常は、義務を履行するよう催促しなければならないのですが、「催告を要しないで」と約束しておくと、この催告を省略することができます。
借地は、賃貸借契約ではなく、地上権を設定する契約によっても行なわれます。
当事者の表示と地上権設定契約の標記、「甲を土地所有者、乙を地上権者とし、左記の各条項に従い、地上権設定契約を締結する。」
目的物の表示、「甲は、乙のため、東京都千代田区麹町三番町○○番地に在る宅地五六〇平方メートルについて、地上権を設定する。」とするほか、賃料を地代と改めるなとすればよいでしょう。ただし、地上権の譲渡は、特約でこれを禁止しても、それはその地主と借他人との間で有効なだけで、その旨を登記することができないので、地主が地上権の譲受人に禁止の特約があることを主張することはできません。

土地
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