河川敷占用許可の法的性質

河川という場合、河川法の適用がある河川つまり、一級河川、二級河川をいうものとします。この場合に河川敷とは一般に、河川区域内の土地のことです。河川区域とは、河川法六条により規定された区域のことであり、河川の流れが継続して存する土地および地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地の区域、河川管理施設の敷地である土地の区域、提外の土地の区域のうち河川の流れが継続して在する土地および地形にいう区域と一体のものとして河川管理者が管理を行なう必要があるものとして指定した区域のことをいうとされています。

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土地

河川法二四条によれば、河川区域内の土地を占用せんとする者は、建設省令で定めるところにより、河川管理者の許可を必要とすることになっています。また、河川区域内の土地で、土石等の採取を行なうこと、工作物の新築を行なうこと、土地の掘さく等を行なうことなども、河川管理者の許可を必要とすることになっています。
河川区域内の土地、河川敷の占用許可は、どのような法的性質をもつ行為なのかでは、一般的な講学上の理解からするならば、本来、河用区域内の土地を占用する権利は何人にも存在しません。つまり、河川敷の占用とは、通常の用法をこえた特別の使用を私人に認めるものであるため、これは特許使用であると考えられてきました。しかし、本来河川敷地の占用は、河用敷地にとって好ましくはないことなので、権利設定としての特許使用と解することは、理論的矛盾であり、河川敷地の占用は、これを許可使用であるとする考え方もありえます。しかし、河川敷の占用は、利水冶水上、障害がない場合に、河川法二四条により占用を特別に承認するものであり、講学上の特許使用に該当するものと考えるぺきです。
河川管理者は、河用敷の占用許可を与えた場合、これに、付款を付することが可能である付款とは、行政法学上、主たる意思表示に付加された従たる意思表示をいい、条件、期限、撤回権の留保、負担、法律効果の一部除外などをいいます。付款は、いわゆる法律行為的行政行為で法令に根拠のある場合や、それが裁量行為である場合に付しうると考えられています。河川管理者が、河川敷の占用許可をなすにあたり、使用許可の有効期間を定めたり、撤回権の留保をしたり、いわゆる許可条件としての負担を付款として定めるのは、通常行なわれているところです。
私人が、使用、占用許可の有効期間中に、使用、占用許可を取り消された場合には、それが、職権取消の場合であろうと、撤回の場合であろうと、行政不服審査法にもとづく不服申立てか、行政事件訴訟法にもとづく取消訴訟を提起することができます。この場合に当初の使用、占用許可が、処分時において暇疵あることを理由として取り消される場合においては、使用、占用許可は、授益的行為であるので当然、取消権の制限の法理が適用されます。つまり、相手方が、詐欺強迫または、贈賄のような不正行為をした場合や不完全な申請行為があった場合、当該行政行為が第三者の権利を侵害する場合、既得の権利自由を侵害するだけの公益上の必要が存する場合にかぎって、取り消しうるものと解されます。この場合、取消しの効果は原則として処分成立時に遡及するものですが、相手方が不正行為をしたものでなく、行政庁の責めに帰すべき事由により暇疵が存在することになった場合には、取消の効果は、既往に遡及しません。また、行政行為の撤回は、法令に根拠のある場合、撤回権の留保のある場合、相手方の同意のある場合には、それが授益的行為の撤回である場合でも可能とされます。なお、有効期間満了時において、これを更新しないという場合においても、更新の拒絶には、有効期間内における撤回と同様の事由が存在しなければならないと解されていることに注意すべきです。
使用、占用許可の有効期間内の取消が、いわゆる職権取消の場合であろうと、撤回の場合であろうと、違法に行なわれた場合には、国家賠債法にもとづく、損害賠償を請求できることになります。次に、使用、占用許可が、公益上の理由により職権取消されたときにも、相手方が、不正行為や不完全な申請行為をしておらない場合には、損失補償が行なわれるぺきです。また、使用、占用許可の撤回が行なわれる場合にも、通常収用に類似するものとして損失補償が行なわれると解されています。したがって、損失補償なき使用、占用許可の有効期間内の一方的取消は、原則として許されません。河川法は、治水、利水のための河川管理法であり、したがって、河川管理上、私人に承認された河川敷の占用が、治水目的、洪水を防止すること、公共の安全と秩序に反するものとなった場合に、あらかじめ撤回権の留保があれば有効期間中といえども使用、占用許可を撤回するということがありえます。この場合にも、損失補償が必要ですが、その額はどの程度のものであるかについては、学説は分かれています。

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道路の種類/ 道路の設置と管理/ 公共施設の土地の私権行使/ 河川敷占用許可の法的性質/ 公園予定地の時効取得/ 公共用公物の法的性質/ 入浜権/ 公共用公物の占用/ 公有水面の埋立て手続き/

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