農地転用の手続きについて

 私の所有している農地の周囲が宅地化されたため、濯漑水の質が汚染されたうえ、引水に不便を感じるようになったので、稲作には適さなくなりました。したがって 稲作だけの収入では生活の維持や子弟の教育などにも不足するようになりました。そこで農地を宅地に転用し、そこに貸家を何軒か建てて収入を安定したいのですが、どうしたらよいでしょうか。

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 この場合は転用許可になったら自分の貸家を建てるのですから、「農地法第四条の規定による許可申請書」を、市町村農業委員会を経由して都道府県知事に提出しなければなりません。農業委員会が申請書を受理したときは、四十日以内に、これに意見書を付けて知事に進達することになっています。なお、ニヘクタールを超える面積の農地を転用する場合は、都道府県知事ではなく農林大臣に申請しなければなりませんがこの場合には正式な申請をする前に「事前審査申立書」を農林大臣および地方農政局長に提出します。
 また、宅地用に農地を購入する者(譲受人)は農地の所有者(譲渡人)と連名で、「農地法第五条の規定による許可申請書」を、市町村長業委員会を経由して都道府県知事に提出します。二ヘクタールを超える場合は前記の通りです。
 農地には第一種・第二種・第三種の三つの区分があって、第三種がいちばん転用を許可されやすいのですが、この場合でも転用申請目的実現の確実性がない場合には許可になりません。次の三つが確実性の基準です。
 申請が許可を受けたのも遅滞なく、その土地を申請の目的に供するものと認められるものであること。
 申請目的の実現について法令等による許可・認可を必要とする場合、それがうけられる見込があること。
 申請目的の実現に必要な資金の調達などについて、その見込があること。
 転用許可条件違反で、許可が取り消されたとき 転用の許可に条件がつけられたとき、たとえば転用の目的について或る限定を受けたとか許可後ある一定期間内に転用のための工事に着工しないとかあるいは工事を完成しないときは許可を取り消すというような条件です。このような条件に違反したために転用許可が取り消されると許可がなかったことになります。
 したがって農地の所有権は買主に移転しなかったことになるので、売主は、すでに受領した代金を返すとともに、土地明渡しおよび移転登記の抹消を請求することができるのです。しかし売買契約締結後、転用許可がない間にその農地が無断で転用された場合には、現況において土地の状況が農地でなくなってしまうので、その時点から非農他の売買であると見なせば、許可を受けなくても買主は土地所有権を有効に取得できるという考え方もあります。
 売主が農地の移転・転用許可手続に協力しないとき 現状が農地である土地の売買は、買主が農地として利用するための売買でも、あるいは買主が宅地等に転用するための売買でも、原則として当事者が都道府県知事の許可を受けないと無効なのです。このことは前記したとおりです。
 さて、都道府県知事に対する許可申請書には売主と買主の両者が連署しなければなりませんので当然にこの許可申請に協力する義務があります。当事者の一方がこの義務を履行しない場合は、裁判所へ訴をもって強制措置を請ずることもできますし、これを理由にして契約を解除することもできます。ただし、売買契約を解除するためには、その解除をもとめる側の者が自分で、まず許可申請に必要な行為で自分の側でできることをする必要があります。
 売主が農地の移転・転用許可手続に協力しないとき、買主はまず、その所有権移転請求権を保全するための仮登記をします。買主は売主との売買契約によって、都道府県知事の転用許可を停止条件とする所有権移転請求権を取得しているからです。買主は、売主が第三者に対して有する抹消登記請求権を代位行使することができますし、農地の不法占有者があれば、これを売主へ明渡せよと請求することができます。

土地
売主が代金を受け取らない場合/ 契約後に代金引換えに所有権移転登記を請求したのに売主が応じない場合/ 土地建物の売買契約書を公正証書にする効果/ 売主が契約を履行しない場合の訴訟以外の解決方法/ 買主が代金の支払に応じない場合/ 履行遅滞を理由とする解除権の行使/ 借地権の譲渡に地主が許可をあたえないときは/ 宅地建物取引業者と取引する場合の物件についての説明/ 不当に高額な報酬を宅地建物取引業者から要求されたとき/ 不完全な土地・建物を買ったとき/ 土地建物の売買にあたって欠点のない契約を結ぶには/ 買戻の特約はどのような特徴をもっているか/ 根抵当権契約の特徴/ 農地に対する抵当権の設定/ 農地停止条件付売買契約書作成上の注意/ 農地転用の手続きについて/ 質権設定契約と登記/ 代物弁済の予約と停止条件付不動産所有権移転登記/ 登記の申請における権利者と義務者の双方代理/ 滞納処分による差押え不動産の抵当権設定/

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