根抵当権契約の特徴

 銀行と商人間で締結した当座貸越契約や卸売商人と小売商人との間の約束手形契約によって、貸越額や約手の未決済額が発生しますが、このように将来一定の決算期日において弁済されない貸越額や、約手の来決済額を担保するにはどうしたらよいでしょうか。

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  抵当権をもって担保される債権は初めから特定されていますが、根抵当のそれは、常に増減変動し、その決算期になってはじめて担保される債権が特定するのです。根抵当権と普通の抵当権との相違点は、次のとおりになっています。
 すなわち普通の抵当権では弁済に応じて被担保債権が消滅(債権額が減少)しますが、根抵当では決済期日の弁済は被担保債権に消長を及ぼしません。また、普通の抵当権では被担保債権額が登記されるのに対し、根抵当では被担保債権極度額が登記されます。
 根抵当権設定契約には、当座貸 越根抵当権設定契約、累積式根抵当権設定契約、共同担保根抵当権設定契約、追加的担保根抵当権設定契約などの種別があります。
 つぎにそれぞれの書式を示し、必要な解説をしてみましょう。
 根抵当権設定契約書(累積式)記載の仕方
 債権者である会社の名称を書きます。債務者兼担保提供者である会社の名称を書きます。たとえば「売買取引」とか「商品取引」というように取引の種別を書きます。根抵当権者と債務者の間に現在締結されている継続的な取引契約があれば、その日付と名称を書きます。根抵当権者の債務者に対する手形上、小切手上の請求権であって、前記含まれる以外のものを書きます。被担保債権の極度額を書きます。根抵当権の順位を書きます。債務者の現住所を書きます。債務者の氏名を書きます。根抵当権で担保される債権の発生する最終日を書きます。この契約書の作成通数を書きます。この契約が成立した目付を書きます。この書式では根抵当権者である会社の所在地を書きます。根抵当権者である会社の名称を書きます。根抵当権者である会社の代表者の氏名を書いて、会社印を押します。債務者兼根抵当権設定者である会社の所在地を書きます。債務者兼根抵当権設定者である会社の名称を書きます。 債務者兼根抵当権設定者である会社の代表者の氏名を書いて、会社印を押します。
 累積式とは、根抵当権の目的不動産が一個のものをいいます。たとえば抵当物件となっている不動産が建物である場合には、主建物と付属建物は併せて一個の建物とみなすのです。
 冒頭に「債権者○○○○を甲、債務者兼担保提供者xxxxを乙として、次のとおり契約を締結する」という前文を書き次に各契約内容を示しますが、別の形として、根抵当権者および債務者兼担保提供者の住所・氏名を冒頭に書き、次に「右当事者間において、根抵当権設定に関し、次の契約を締結する」という前文を書き、次に各契約内容を示してもよいのです。
 被担保債権の範囲は「○○取引」というような形で根抵当権で担保される債権をとらえます。たとえば「売買取引」と書けば、根抵当権者と債務者の間に売買が行われた場合、それによって債務者である買主が負担する買掛金、その支払が遅延した場合の遅延損害金、あるいは契約解除によって生ずる損害賠償債務などが、この根抵当権で担保されることになります。
 確定期日というのは、根抵当権で担保される債権の発生する最終日を前もって定めておくものです。たとえば平成二十一年十月一日を確定期日とすれば、その根抵当権で担保される債権は、その前日である平成二十一年九月三十日までに行われた取引により発生したものに限定されます。確定期日は定めなくてもよいのですが、定めるときは根抵当権設定の日から最も長いもので五年以内の日を定めなければなりません。ただし、その日が到来するまでに延期の契約をすることができ、延期の契約をすればその日から最長五年以内となります。なお、確定期日を定めなかった場合には、根抵当権設定の日から三年だつと、以後はいつでも「確定請求」ができ、この請求から二週間たつと、その日をもって確定期日が来たのと同じ結果になります。確定期日を定めない場合は「定めない」と書きます。
 抵当物件とした不動産の表示は、登記簿記載のとおりにします。
 債務者と設定者が異なるときは、契約書は三通作成し、根抵当権者と債務者と設定者が各一通保管することになっています。当事者の署名欄では、設定者(抵当物件の所有者)は実印を押すことが必要であります。
 この契約書を欠陥のないものにするためにはここに掲げた条項のほかに、債務者の増担保義務、債務者の抵当物件に対する担保義務、根抵当権者の担保等に対する解除権、根抵当権者の抵当物件に対する調査権設定者の登記義務、債務者および根抵当権設定者の費用負担、合意管轄などの条項を加えることができます。なお、特約事項があればそれを記入することが必要です。

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