売主が契約を履行しない場合の訴訟以外の解決方法

 買主は売主が現在居住している家を五〇〇万円で買い取り、内金として当初三〇〇万円を支払い、三ヵ月後に売主がこの家を明渡したときに、残金の二〇〇万円を支払うことにして契約を締結し、三〇〇万円を売主に支払いました。ところが約定の期限が迫ってきたとき売主は明渡期間をもう一カ月延ばしてくれと言いだし、現在の家屋に住んでいる借主に立退料を支払わなければならないから、もう五〇万円ほど増額してくれないかと申し出てきました。どうすればよいのでしょうか。

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 民事訴訟法三五六条(起訴前の和解)によれば「民事上ノ争二付テハ当事者ハ請求ノ趣旨及原因並争ノ実情ヲ表示シテ相手方ノ普通裁判籍所在地ノ簡易裁判所二和解ノ申立ヲ為スコトヲ得。和解調ヒタルトキハ之ヲ調省二記載スルコトヲ要ス。和解調ハサル場合二於テ裁判所ハ和解ノ期日二出頭シタル当事者双方ノ申立アルトキハ直二訴訟ノ弁論ヲ命ス此ノ場合二於テハ和解ノ申立ヲ為シタル者ハ其ノ申立ヲ為シタル時二於テ訴ヲ提起シタルモノト看倣シ和解ノ費用ハ之ヲ訴訟費用ノー部トス。申立人又ハ相手方カ和解ノ期日二出頭セサルトキハ裁判所ハ和解調ハサルモノト看倣スコトヲ得」と規定されています。
 即決和解は、契約をした相手方にその約定を確実にまもらせるようにするために、有効な法定の手段、方法です。土地や家屋の売買に例をとりますと、売主、買主の間で締結した売買契約にもとづいて作成された売買契約書は私的な契約書でありますから、相手方が誠実にこれを履行しない場合は、この契約書を証拠として、あらためて訴訟をおこさなければならないのです。訴訟はご存じのようにわりあい長い期間と多くの費用を要しますが、この即決和解は調停と同じくきわめて短期間に和解ができる方法として利用されています。
 公正証書による方法はどうかといいますと、公正証書は特定物である土地や家屋そのものの明渡しには利用できないのです。即決和解 の手続は、次のようにします。
 申立人が前記のような和解申立書を、原則として被申立人(相手方)の住所地を管轄する簡易裁判所に提出すると、期日に申立人、被申立人の双方が呼出され、裁判官から和解の勧告があります。双方の条件が折合えば和解が成立し、和解調書が作成されます。
 いったん和解調書に記載された和解事項は調停調書の場合と同様に、判決と同じ力をもつことになります。しかも金銭の取立はもちろんのこと、公正証書とちがって特定物である土地や家屋明渡しの強制執行もできます。しかし被申立人がどうしても和解に応じないような場合には、調停と同じように訴訟によって解決しなければなりません。

土地
売主が代金を受け取らない場合/ 契約後に代金引換えに所有権移転登記を請求したのに売主が応じない場合/ 土地建物の売買契約書を公正証書にする効果/ 売主が契約を履行しない場合の訴訟以外の解決方法/ 買主が代金の支払に応じない場合/ 履行遅滞を理由とする解除権の行使/ 借地権の譲渡に地主が許可をあたえないときは/ 宅地建物取引業者と取引する場合の物件についての説明/ 不当に高額な報酬を宅地建物取引業者から要求されたとき/ 不完全な土地・建物を買ったとき/ 土地建物の売買にあたって欠点のない契約を結ぶには/ 買戻の特約はどのような特徴をもっているか/ 根抵当権契約の特徴/ 農地に対する抵当権の設定/ 農地停止条件付売買契約書作成上の注意/ 農地転用の手続きについて/ 質権設定契約と登記/ 代物弁済の予約と停止条件付不動産所有権移転登記/ 登記の申請における権利者と義務者の双方代理/ 滞納処分による差押え不動産の抵当権設定/

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