効率性基準と受忍限度

公共性を判断する基準の一つとして効率性基準を適用することは、限界的な公共事業について費用使益分析を行うことに他なりません。費用便益分析は、法律学の受思限度は比較衡量論の経済学版と考えられているようですが、実際には両者は同一のものとは思われず、受思限度論には効率性基準ないし費用便益分析の立場からみて問題があります。受忍限度論といっても論者によって、その内容は多少異なるようであり、また同じ論者でもその内容が時間が径つにつれて変化している場合もあります。

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受忍限度論における受忍限度というのは、通常の合理人ならば社会共同生活を営む上で当然甘受するであろう限度のことであり、多くの要素を検討してそれらの比較衡量の上で判断される要件です。あるいは、受忍限度という用語から受ける印象からいうと、損害の程度など被害者側の事情のみを考慮すべきかのようですが、そうではなく、加害者側の事情や周囲の状況等をも勘案して受忍限度を論じるべきであるとされ、考慮されるべき要素として、被侵害利益の性質および程度、地域性、例えば静かな田園地帯に住む人と大都会の真中に住む人とでは、受忍限度が異なり、騒音についていえば、大都会に住む人は田園の静けさを要求することはできないと考えられています。被害者があらかじめ有した知識、土地利用の先後関係、その活動の社会的価値および必要性、被害者の特殊事情、等を挙げています。このように受忍限度論は、被害者の不利益と加害者の利益とを比較衡量して受忍限度を判定するので、受忍限度は比較衡量論とも呼ばれます。
次に受忍限度論の法的性格については、いま挙げた判定要素を考慮したうえで、受忍限度をこえた侵害が主張、立証されれば、違法性も過失も認められ、損害賠償責任が被告に課せられるというように受忍限度論を位置づけることが、さしあたり最も適しているとしています。
受忍限度の判定要素として、その活動の社会的価値および必要性という要素は、差止請求については重要な意味を持ちますが、損害賠償の事件では、結論と直接には関連を有しないものと考えるべきです。例えば高度の公共性を有する公共事業であっても、受忍限度をこえた侵害に対して賠償すべき責任を免れることはできないと考えられています。この引用文にもあるように、受忍限度をこえた侵害が主張、立証されれば、差止請求が認められますが、差止請求に関しては、受忍限度の判定要素として、その活動の社会的価値ないし有用性という要素が重視され、当該活動の社会的価値が大きい場合には、差止は認められず、金銭的補償が選ばれます。

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