遊休地に関する措置

都道府県知事は規制区域と土地取引の許可制、または土地取引の届出制の適用を受けて土地取引が行われた後、その土地の所有者が取得後3年を経過しても住宅用または事業用に供していない場合等一定の要件に該当すると認めるときは、その土地の所有者等に対し遊体土地である旨を通知してその土地の利用計画を届出させるものとし、その土地の有効かつ適切な利用のための助言、勧告を行うことができるものとしています。土地所有者がこの勧告に従わないときには買取りを希望する地方公共団体等に買取り協議をさせることができます。なお、44年1月1目以降に取得した土地のうち、本法施行の際、未利用のまま放置されている一定規模以上の一団の土地に該当し、その有効かつ適切な利用を特に促進する必要があるものについては、本法施行後2年以内に限り、遊体土地に認定することができます。

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土地

以上のような内容と運用実績を持つ国土利用計画法は、土地政策の基準からみて、どのように評価されるのでしょうか。土地政策の基準によれば、公共当局は土地利用における外部不経済を回避し、公共投資を効率的に行うために長期的視野にたって、どういう土地をどういう目的で、つまり住宅地、商業地、工場用地、農業用地、遊体地等のいずれの形で利用するか、そのために、どれだけの公共投資をするかを計画、実行しなければなりません。
従来、日本では、国も地方公共団体も長期的な視野に立った整合的な土地利用計画を持たず、道路、鉄道、空港等の建設に際しては外部不経済の発生に全く考慮を払わず、建築基準法は存在しても、建築違反等は放置されるという具合でした。したがって、国土利用計画法は、それが基準を満たすかぎりにおいては十分評価されねばなりません。例えば一定規模以上の土地取引を行う場合にはその土地の利用目的を都道府県知事に届出なければなりませんが、届出に係る土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的が、道路、水道その他の公共施設もしくは学校その他の公益施設の整備の予定からみて、又は周辺の自然環境の保全上明らかに不適当なものである場合には、都道府県知事は土地利用審査会の意見を聴いて、その届出をした者に対して当該土地売買等の締結を中止すべきこと等を勧告することができます。この規定は、基準からみておおむね妥当ではありますが、土地売買の中止を勧告するよりも、むしろ土地取得者が計画している土地利用方法それ自体を禁止すべきです。しかし、国土利用計画法には、ともかくも地価を凍結し、個々の土地を、誰がどれだけ使用するかという問題の解決を行政当局に委ねようとする考え方がみられ、運用実績も価額引下げ勧告、あるいは事前的な価額引下げ指導が中心になっています。
地価の理論から明らかなように、予想される地代が上昇すれば地価も上昇します。したがって、地価を凍結することは、土地用役価格を凍結することでもあり、土地資産市場の役割のみならず、土地用役市場の役割をも否定してしまうことになります。しかし、用途地域制度が整備されていれば、個々の土地のフローとしての土地用役を、誰がどれだけの価格を支払って、どれだけ使用するかはプライスメカニズムにまかせるのが、最小の費用で最も効率的な土地利用を達成する方法です。つまり国と地方公共団体は、国土全体または各自治体内の土地全体の見地から、ある地域について、その利用形態を指定し、外部不経済を発生させないように公共投資を実施し、建築基準法等を土地利用者に厳守させるようにすればよいのであり、それ以上の行政介入を個々の土地の利用あるいは値々の取引に対して行うべきではないのです。

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