住宅金融

土地、家屋の分割不可能性は金融資産に比べて相当に大きく、したがって、土地、住宅投資のためには、多額の資金をなんらかの方法で調達する必要があります。単純モデルでは家計は土地、家屋を担保に一定の利子率で借入れができると仮定して分析を進めましたが、現実には民間ベースの住宅金融が始まったのは昭和39年頃からであり、それまでは住宅金融公庫等の公的資金か企業の持ち家融資に限られていました。また、住宅金融が拡大したといっても、依然として、相当の自己資金を必要とし、永久に貸し続けてくれるわけではありません。したがって、貯蓄残高が不足して必要な自己資金を調達できない家計にとっては、さしあたり借家を選択するしかありません。つまり、そのような家計にとっては借家か持ち家かの選択問題は生じません。しかし、このような家計でも、持ち家の費用を貸家を選択するときの費用よりも安くするような要因が存在するならば、将来に持ち家を取得しようとして、貯蓄に励むかもしれません。したがって待ち家が取得できるだけの自己資金を持っている家計にとって、持ち家の費用と貸家の費用とを乖離させるような要因が存在するかどうかが検討されなければなりません。

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土地

現実の所得税制を考慮すると、よく知られているように、持ち家は貸家よりも経済的に有利になります。つまり、帰属家賃、あるいは、帰属地代には所得税は課せられませんが家賃収入、地代収入等の帰属所得以外の所得には所得税が謀せられます。この税制上の差別のために、貸家よりも持ち家の方が有利になります。
今ある人が一方で借家をし、他方では貸家を経営しその家賃収入で自らの借家の家賃を支払っているとします。単純モデルの世界ではこのような行動は少しも不合理ではありません。しかし、税制の存在を考慮すると、貸家経営からの家賃収入には所得税がかかります。したがって、彼は税引後の家賃収入では自らが経営する貸家と同質の家を借りることができず、税金に等しい不足分を他の所得で埋めなけれぱなりません。それに対して、自らが経営する貸家に自らが住めば、すなわち持ち家を選択すれば、帰属家賃には税金がかからないために、税金分を資金調達する必要はありません。したがって、一方で借家をし、他方で貸家を経営することは、所得税課税上不利になります。

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