地価決定と財決定の違い

土地は普通の財のようにそうした利用価値があるために価格がつくのではなく、今まで住んでいた人にとっては利用価値には何のかわりはないにもかかわらず、限界地に発する地価上昇の波が地価を上昇させ、その結果逆にその地価に応じて利用形態がやがて生れだすとされています。これには、各々の土地が互いに代替関係にあり、したがって各々の土地の価格は連立方程式体系の中で同時に決定されるという理解が欠如しています。特に価格機構がもつ資源配分機能をほとんど理解していないことを示しています。

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土地

上の引用文に述べられていることは、ごく普通の財についても生じることです。例えば豚肉の価格は、今まで豚肉を食べていた人にとっては利用価値に何のかわりもないにもかかわらず、今まで所得が低くて豚肉を食べられなかった人々の所得が増加して彼らの豚肉に対する需要が増加したり、あるいは豚肉の供給が減少したりすることによって上昇します。このような豚肉に発する価格上昇は、牛肉、とり肉、魚のような豚肉と密接な代替関係にある食料品の価格をはじめとして、多かれ少なかれ豚肉と代替関係にある会料品の価格を上昇させてゆくことになります。そうして、このような代替財の価格の上昇はさらに豚肉の価格の上昇へとはねかえってゆくのです。このように、どんな財、サービスも、ある個々人の利用価値には何の変わりがなくても、社会全体でより稀少になるにつれて、価格が上昇し、それは代替財の価格をも上昇させ、代替財の価格上昇は再び最初に上昇した財の価格を上昇させてゆきます。そうしてそのように稀少な財、サービスの価格が上昇するからこそ、人々は一方でその稀少になった財、サービスを節約しようとし、他方で供給を増やそうとして、その結果、効率的な資源配分が達成されるのです。
いま述べたことを土地の場合にあてはめて考えてみると、都心からより遠い土地を伊東にならって通勤限界地と考えみると、いま都市の人口が増加して、その結果、宅地需要が増加したとすると上昇することになります。このように、通勤可能な限界地に今まで住んでいた人にとって利用価値には何のかわりもないのに、限界地の価格は上昇します。しかし、それは何ら特別なことでも、不思議なことでも普通の財と異なる現象でもありません。今まで住んでいた人にとって利用価値に何のかわりもなくても、都市の人口増加に伴って、都市全体の人々にとってその土地がより稀少になれば、その土地の価格は人為的に抑制されないかぎり、必ず上昇します。それは、さきの例における豚肉の価格が上昇するのとまったく同じ原理に基づきます。

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