地価高騰の原因

戦後の日本においては、全国市街地の地価は年率平均19.2%という高い率で上昇し続けてきました。特に高度成長が始まる32年から40年不況を迎えるまでは、年率21%から26%という高い率で上昇しました。戦後の日本において、このように地価が高騰し続けてきたのはなぜでしょうか。いままでに展開してきた地価の理論と予想形成に関する議論によれば、地価は次のいずれかの場合に上昇すると考えられます。つまり、人々が予想する将来の地代、あるいは予想される帰属地代が上昇する。人々が予想する将来の地価が上昇する。借入資金の利子率が低下する。これらの要因のうち借入資金の利子率については、それがもし年々低下し続けるならば、その結果、地価は年々上昇し続けることになります。しかし、借入資金の利子率は金融政策等の政策に依存して上下に変動するために、借入資金の利子率の低下は戦後のほぼ一貫した地価の上昇を説明する要因ではありません。

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土地

戦後、ほぼ一貫して地価が高率で上昇し続けてきたのは、人々の将来の地代と地価に関する予想が、上昇し続けてきたためであると考えられます。それでは、地代と地価が将来どのくらいの率で上昇するか、という点に関する人々の予想は、どのような要因に依存するでしょうか。日本の国土の形状は、生活や生産の場として最適とされる平地部が狭陸であり、したがって、労働や資本に対して利用可能な土地は相対的に稀少です。このことは、日本においては、土地の限界生産性と人々が居住する場合の土地の他の財、サービスに対する限界代替率がもともと高いということを意味します。したがって、日本においては、地代は比較的高くならざるを得ません。さらに、戦後の高度成長の過程で、資本の急速な蓄積が進み、技術が著しく進歩し、教育の普及等によって労働の質が向上することにより、土地と併せて使用される他の生産要素の存在量の土地に対する比率が急速に上昇してきました。その結果、土地の限界生産性としたがって地代は上昇し、また今後ますます高まると予想されます。このことを可住地面積でみてみると、欧米諸国よりも隔絶して高く、フランスのそれの4.8倍にも達します。それに加えて、人口の都市への集中、所得水準の上昇に伴い、所得弾力性の高い住宅地、公共用地、別荘地に対する需要が増大しつつあり、また今後その一層の増大が予想されています。かくて土地用役の需要と供給が均衡する点での、人々の土地の他の財、サービスに対する限界代替率としたがって地代は上昇し、また今後も上昇すると予想されます。

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