未登記建物の移転登記

建物について登記がしてない状態というのは、正確にいいますと、所有権の登記はしてないが、建物の表示に関する登記はあるという場合と、表示の登記もしてない、つまりその建物に関しての登記用紙は全然まだ開設されていないという場合とに分かれます。
不動産についての登記がなされるというときには、順序として、まず表示の登記がなされます。建物の新築があった場合は、まさにこの典型的な例で、所有者は、この表示の登記を申請しなければなりません。その場合の申請書 には、新築建物の所在地、建物の種類、構造、床面積など法律所定の事項を記載しなければならず、その他に、建物の図面と各階の平面図の提出が要求されます。 建物の図面とは、原則として500分の1の縮尺で作成し、また、敷地の境界、その地番および隣地の地番を記載して、建物の位置および形状を明確にするような、法令 の定める様式に従って作成された図面をいいます。各階の平面図とは、原則として200分の1の縮尺によって作成し、各階の形状を図示し、各階の床面積を明確にするために必要な部分の長さを記載するなど、法令の定めた様式に従って作成される図面をいいます。
このような図面等を添えた申請を資料に登記官か現地について調査をしたところに従って、建物の表示の登記がなされます。つまり新しい一個の建物として、新しい表題部の登記用紙が開設され、これに実状どおりに、その建物の抗原や形状、構造などを記載する表示の登記がなされるわけです。
ところで、このような表示の登記というものは、あくまで、どのような建物がどこに存在するかという純粋に客観的かつ物理的な事実を登記簿に表示する役割をはたすもので、これだけでは、本来の意味での所有権その他の権利についての登記ではありません。すなわち、引きつづいて所有権の登記が申請されないかぎりは、その不動産については表題部登記用紙があるだけで、所有権のことを記載する甲区登記用紙もま だ綴じこまれはしないのです。
もっとも表示の登記においても、表題部に、登記官がその建物の所有者であると認定した者を所有者として、その氏名、住所を記載することになっています。この所有者の記載は、真の意味での所有権の登記ではありませんが、後にいいますように所有権登記をする場合の出発点ないし原則的な証明資料になります。ですから登記官の認定のために、表示の登記を申請する所有者は、前述した図面などのほかにも、その所有権を証明できるような書面を提出しなければなりません。具体的には、建築について市町村が建築基準法六条の規定に基づいてした確認通知書、同法七条による工事完了等に関して出された検査済証、 建築請負人の完成、引渡証明書、固定資産税の納付証明書などです。

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土地

建物の表示の登記は、所有者の申請によってなされるのが普通ですが、申請がなくても登記官は事実を調査して職権ですることができますし、徴税のために新築の事実をキャッチした市町村からの通知によって新築の事実を知ることもあります。したがって、例えば、固定資産税は払っているということですと、表示の登記だけはすでにあるという公算が大きいかと思われます。これは登記所で調べれば簡単にわかることです
。表示の登記だけがある場合の買主への登記手続としましては、いったん売主の名義での所有権保存登記をし、ついで所有権移転登記をする、ということになります。いきなり買主の名義での所有権保存登記をすることはできません。というのは、始めて為す所有権の登記、つまり所有権保存登記は、表題部に自己又は披相続人が所有者として記載せられたる者だけがこれを申請でき、この者の名義での登記だけが許される建前になっています。また、それなら、表題部の所有者名を買主名義に書き換えておいて、そしてこのように保存登記を、と考えましても、譲渡があったことによって表題部の所有者名を書き換えることは、所有権登記手続によるのでなければ許されないからです。もし、さきにあげた条文でも明らかなように、売主が建物を相続で取得しながら、表示の登記には被相続人が所有者と記載されている場合は、戸籍謄本など相続を証明する書面を提出すれば、直接売主の名義での所有権保存登記をしてもらえます。
次に、もし家屋については表示の登記もなされていないという場合ですと、事情はちがってきます。というのは、表題部用紙に表示の登記をし、そこに所有者名を記載するという手 続も、まだこれからですから、売主と買主との間の取引がすんで買主が所有者になったという実体的な事実を登記官に納得させるだけの資料をそろえて、買主が所有者 として前述のように表示の登記をすればよいのです。普通は、建築確認通知書などの書類のほかに、売主から買主への譲渡証言を添えて提出すれば、このように認定してもらえるようです。こうなれば、買主を所有者と記載した表示の登記がまず行なわれますから、すぐひきつづいて、当然直接に買主名義での所有権保存登記がしてもらえるわけです。

土地
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