売買契約締結の費用と負担者

土地と家屋を売買する契約を結びましたが、この契約について支出した費用を当事者の一方が負担するととりきめることはできるのでしょうか。また、このような話合いがない場合は、どちらがどの範囲で負担することになるものでしょうか。そして、土地、家屋の売買について、次のような各費用は、売主、買主のどちらが負担するものでしょうか。
(1) 契約書作成の費用(弁護士に作成を依頼した場合の費用、制作または複写の費用、立会人の謝礼)
(2) 公正証書作成の費用
(3) 土地、家屋の調査費、鑑定費、測量費
(4) 仮登記、本登記の費用(司法書士手数料、登録免許税)
土地、家屋の売買契約をするにあたっては、様々なな費用がかかるのが普通です。売買をするのに、その土地なり家屋なりを調査すればその費用がかかりますし、鑑定を頼めばその費用が、測量を頼めばその費用がかかります。契約書を作成すれば、それに印紙をはらねばなりません。その作成を弁護士に頼めば、その報酬       も払わなければなりません。公正証書を作成すると手数料もかかります。これらが売買契約に関する費用であることは明らかです。売主と買主とが合意のうえで、不動産業者に仲介を依頼したような場合の報酬なども、契約に関する費用といっていいでしょう。問題は、土地、建物についての登記費用です。これを契約に関する費用とみるかどうかは問題のあるところです。

スポンサーリンク
土地

契約に関する費用の分担について当事者の間に特約があればそれに従います。例えば、測量、契約書作成の費用はすべて買主が負担するととりきめてありますと、買主が負担しなければなりません。当事者の間に特約がない場合が問題ですが、民法五五八条は「売買契約に関する費用は当事者双方平分してこれを負担する」と定めており、半々ということになります。売主、買主ともに平等の利益を受けるからだという根拠に基づくものでしょう。
本問について考えてみますと、契約について支出した費用を当事者の一方が負担するととりきめることは差支えありません。そういうとりきめをしておりませんと、前述のように売主と買主とが平分して負担することになります。
前述の(1)契約書作成の費用、(2)公正証書作成の費用、(3)土地、家屋の調査費、鑑定費、測量費は、前述したように契約に関するる費用ですから、特約がなければ、売主と買主とが平分することになります。このうちやや問題になりますのは、弁護士に作成を依頼した場合の費用、立会人の謝礼だと思いますが、このような依頼は両者の合意のうえでなされるでしょうから、契約に関する費用とみていいでしょう。
問題は、登記、仮登記に関する費用です。これには、登録免許税と司法書士手数料とがあります。後者は、登記をなすについて必ず司法書士に依頼しなければならぬというものではないのですが、実際には依頼しないとやれないようですから、両者か二緒に考えてもいいはずです。この費用も、両当事者間に特約があればそれに従います。そういう特約をするのが普通でしょう。特約がない場合は慣習に従うことになりますが、慣習のわからないことが多いでしょう。そのような場合どうすべきかについては三つの見解かあります。
登記をなすことは第三者対抗要件を完備させ契約を確実にするものだから、契約に関する費用とみて両当事者平分にすべきだとするもの、買主か自己の権利を確保する手段としてなされるものだから、買主が負担すべきだとするもの、売主の履行行為とみるべきものだから、その費用は売主が負担すべきだとするもの。大勢は買主の立場がいいと考えますが、判例が契約に関する費用とみて民法五五八条を適用していることは、注意すべきです。

土地
不動産購入前の調査と準備/ 売主の事前調査と準備/ 土地と建物は別の財産/ 登記簿の調査/ 登記簿の謄本と抄本/ 権利証/ 土地の分筆と合筆/ 中間省略登記の効力/ 不動産の位置と境界/ 地目と家屋の種類/ 用途制限のある土地売買/ 仮登記や予告登記のある不動産の売買/ 仮処分と仮差押のある不動産の売買/ 登記名義人との契約/ 登記名義人以外の者との契約/ 登記名義人の親族との契約/ 共有者との契約/ 代理人との契約/ 法人との契約/ 不動産業者の利用/ 仲介の取消と手数料/ 不動産業者の責任/ 司法書士・土地家屋調査士の業務/ 売買契約書の効果/ 売買契約と権利証/ 売買契約の立会人/ 売買契約と公正証書/ 売買契約締結の費用と負担者/ 移転登記の仕組と手続き/ 未登記建物の移転登記/ 売買と従物/ 土地家屋の所有権譲渡と賃貸借/ 現金以外の支払方法/ 代金全額を用意できない場合の支払方法/ 住宅ローンの種類/ 住宅ローン利用上の注意/ 住宅の割賦販売約款/ 代金支払の場所と時期/ 同時履行の抗弁権/ 契約履行の費用と負担者/ 契約締結後の当事者の死亡/ 危険負担/ 売買と第三者に対する対抗力/ 売主の登記と明渡の不履行/ 売主の履行遅滞と損害賠償請求権/ 無権代理と表見代理/ 前主への登記請求/ 不動産の差押/ 他人の不動産の売買/ 不動産の二重売買/ 移転登記未了での相続/ 登記の引取請求/ 建たない建売住宅/ 建物の売買と焼失/ 売買代金の取立方法/ 受領遅滞/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー