司法書士・土地家屋調査士の業務

司法書士というのは、他人からの依頼をうけて、その他人が裁判所・検察庁または法務局や地方法務局へ提出する書類を代わって作成することを営業にしている者のことですが、土地家屋調 査士というのは、他人の依頼をうけて、不動産の表示に関する登記について必要な土地または家屋に関する調査、測量またはその登記申請手続をすることを営業とする者のことです。これが 法律の規定する両者の定義ですが、これだけでははっきりしません。
そこで、まず司法書士の業務を具体的に述べますと、次のような書類を作成するのです。
(1)裁判所へ提出する書類 ? 訴状、答弁書、準備書面、仮差押・仮処分の申請書、非訟事件申立書、調停申立書、失踪宣告申立書、督促手続申立書などその例は多い。
(2)検察庁へ提出する書類 ? 告訴状、告発状など
(3)法務局または地方法務局へ提出する書類 ー 各種登記書類、確定日付付与申請書、供託に開する申請書など
なお、付随行為として、登記申請の代理人となることはできます。しかも、当事者双方の代理人として登記を申請しても、民法一〇八条の双方代理禁止の原則にふれることはなしとされています。
弁護士は、訴訟事件や非訟事件などの事務を本人に代わっておこなうものですが、司法書士は、それらに関する書類の作成とその提出だけが業務範囲で、それをこえて訴訟事務にたずさわると弁護士法にふれます。
行政書士というのがありますが、これは、司法書士が作成する書類の名宛になる官庁以外の官庁や公共団体へ提出する書類を作成するものです。戸籍の届出書とか農地法三条による農地売却の許可申請書などの作成は行政書士の業務範囲で、司法書士は作成できません。
弁理士は、特許事件の事務を代理するものです。
海事代理士は、船舶法を中心とする海事法規にもとづいて、郵政省その他法定の官庁への各種の届出や登記、登録に関する手続きしたり、そのための書類を作成することを業とするもので、海事関係の分野に限られる点に特色があります。
ここで土地家屋調査士の特徴を述べて、この諸業者との区別を考える必要があります。これら諸業者の業務はお互いに侵してけならないものとされているのです。
まず土地家屋調査士は、不動産登記簿における不動産の表示の正確さを確保するために、昭和二五年の法律によってはじめて誕生したものです。それまで、不動産登記申請書類の作成業務は司法書士によって取り扱われていましたが、この不動産登記の目的物件である土地や家屋についての基礎的な調査、測量およびその申告書類の作成業務を規制する法律がなかったのです。登記の正確を期するためにはこの基礎的な調査、測量が正確になされていることが必要 なので、これを担当する者として土地家屋調査士を新設し、司法書士との間に業務を分担させることにしたのです。したがって、調査士は、測量技術について専門的な知識を習得し、一定の国家試験を経て資格を格た者でなければならないことになっています。

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土地

土地家屋調査士の業務内容を例示すると、次のとおりです。
(1)土地の分筆、合筆の登記
(2)地目または地積の変更があったとき、土地の表示を変更する登記
(3)新たに土地を生じたときの土地の表示登記
(4)土地滅失のときの滅失登記
(5)建物を新築したときの表示登記
(6)建物の所在、種類、構造、床面積などの表示の変更または更正の登記
(7)建物の区分、合併の登記
(8)建物の滅失などによる滅失登記
(9)所有者の住所、氏名などの表示の変更の登記
(10)区分所有者の建物に関する新築や構造変更の登記
そこで土地家屋調査士もこれらの登記に関しては、土地、家屋の調査、測量のほかに、その登記をも代理することができるのですから、司法書士の登記業務との間に区別のつきにくい点がありうるのです。形式的にいえば、司法書士は登記に関しては権利の変動についての代書を取り扱うのですが、調査土は、土地、家屋についてその変動の基礎をなす、変動前の客観的な状況を正確に把握して登記するのです。例えば、私が1000平万メートルの一筆の土地をもっていて、これを500平方メートルずつに分筆して売却しようとする場合に、 その分筆のためには、地積の実測をして、測量図をそえて分筆の申請をしなければなりません。これらの一連の手続をするのが調査士ですが、それは分筆登記までであって、分筆した土地の所有権の移転の手続は司法書士の業務範囲になるのです。そして逆に司法書士は、土地、家屋について専門的技術を要する調査、測量にもとづいてなすところの不動産の表示、変更の登記申請をすることはできません。たとえ依頼者が別の測量士に測量してもらった結果の書類を示して司法書士に登記と依頼しても司法書士が登記することはできず、調査土の業務になるとされています。ただこれには反対の見解もあり、司法書士で登記できるとの説もあります。
このほかにも調査士と司法書士との業務範囲がはっきりしない点もあり、常に調整をはかっていますが、それにしても、一人で両方の資格をもっておればきわめて便利であり、また兼業は法的に許されているので、両資格を兼ねている人が多いようです。
今日、建物を新築したときは、所有者は1カ月以内にその建物の表示の登記を申請することが義務づけられており、増築した場合にもやはり1カ月以内に建物の表示の変更の登記を申請しなければならないのです。この場合には増築部分の図面をも添えて申請しなければなりませんが、この登記申請と取り扱うのは、土地家屋調査土の仕事です。

土地
不動産購入前の調査と準備/ 売主の事前調査と準備/ 土地と建物は別の財産/ 登記簿の調査/ 登記簿の謄本と抄本/ 権利証/ 土地の分筆と合筆/ 中間省略登記の効力/ 不動産の位置と境界/ 地目と家屋の種類/ 用途制限のある土地売買/ 仮登記や予告登記のある不動産の売買/ 仮処分と仮差押のある不動産の売買/ 登記名義人との契約/ 登記名義人以外の者との契約/ 登記名義人の親族との契約/ 共有者との契約/ 代理人との契約/ 法人との契約/ 不動産業者の利用/ 仲介の取消と手数料/ 不動産業者の責任/ 司法書士・土地家屋調査士の業務/ 売買契約書の効果/ 売買契約と権利証/ 売買契約の立会人/ 売買契約と公正証書/ 売買契約締結の費用と負担者/ 移転登記の仕組と手続き/ 未登記建物の移転登記/ 売買と従物/ 土地家屋の所有権譲渡と賃貸借/ 現金以外の支払方法/ 代金全額を用意できない場合の支払方法/ 住宅ローンの種類/ 住宅ローン利用上の注意/ 住宅の割賦販売約款/ 代金支払の場所と時期/ 同時履行の抗弁権/ 契約履行の費用と負担者/ 契約締結後の当事者の死亡/ 危険負担/ 売買と第三者に対する対抗力/ 売主の登記と明渡の不履行/ 売主の履行遅滞と損害賠償請求権/ 無権代理と表見代理/ 前主への登記請求/ 不動産の差押/ 他人の不動産の売買/ 不動産の二重売買/ 移転登記未了での相続/ 登記の引取請求/ 建たない建売住宅/ 建物の売買と焼失/ 売買代金の取立方法/ 受領遅滞/

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