代理人との契約

不動産売買をするにあたり、代理人と契約を結ぶことは、かなりの危険を伴います。というのは、代理人が、本人を代理する権限をもっていないのに、あるいは、自分のもっている代理権の範囲外であるのに、不動産を売却することが、かなり多いようにみうけられるからです。いずれにしても、この場合には代理人に売買契約を結ぶ権限がなかったこととなり、本人と買主との間に売買契約が成立するには至りません。ですから、代理人が本当にこの不動産取引について代 理権をもっているかどうかを確認される必要があります。本人に直接確かめられるのが一番よいかとは思いますが、事情によっては、そんなことをすれば代理人が気を悪くしてその後の交渉がうまくいかない、というおそれもないとは申せません。最少限どのようなことを調べればよいでしょうか。代理人が本人からの委任状や本人の印鑑などを持ってるかどうかを確かめられれば、まず9割くらいは大丈夫と思われます。

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土地

代理人が代理権のない事がらについて本人に代わって意思表示をしても、本人になんら法律上の効果が発生ぜず、これを無権代理といいます。しかし、この無権代理行為がその外観からみて代理権に基づくかのように見え、かつ、相手方が無権代理人に代理権があると信じたことについて過失がなかったときは、例外的に、代理権があった場合と同一の法律効果が発生します。これを表見代理といいます。すなわち、本当は与えていないのに、本人がある者に代理権を与えたと表示し、代理人と表示された者が表示された代理権の範囲内で代理行為をした際に、本人は、代理行為の相手方の悪意または過失を証明しないかぎり、本人としての責任を負いますし、代理人が代理権の範囲をこえて代理行為をした場合に、相手方が行為についても代理人に代理権があると信じ、かつ、そう信じるについて正当の理由があるときにも、同様に表見代理の成立が認められ、さらに、かつて代理人がもっていた代理権が代理行為のときには消滅していたのに、相手方が代理人に代理権があると信じ、そう信ずることについて正当の理由があるときにも、同じ取扱いが承認されています。
委任状の交付は、代理権授与の表示とみられますし、実印や実印の押してある証書をもっている者の代理権を信じて取引するのは、正当の理由があると認められております。ですから、問題になった行為について代理人が代理権をもっているかどうか疑問視される事情があれば格別、委任状や印鑑などが本人の意思に基づいて代理人に交付され、これを信じてあなたがその代理人と売買をされた湯合には、本人との間に売買契約が成立することになります。表見代理による権限をこえた行為でも、表見代理の成立することが認められておりますから、なおさらこのように言えます。
今までのことは、委任状などがとにかく本人から交付されたときにはあてはまりますが、例えば、委任状が偽造のものであったり、印鑑が盗用されたときなどには、本人に代理の効果をうけさせる理由がないように思われます。そこまで表見代理を認めては、本人に対して厳しすぎると考えられるからです。判例には、この場合にも表見代理成立の余地があると説いているかに見えるものもあります が、学説においては、成立を否定する考えが圧倒的に多いように思えます。

土地
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