登記簿の謄本と抄本

登記簿の謄本とは、ある不動産の登記簿の記載内容そのままの写しをいい、同じく抄本とは、登記簿の一部の写しをいいます。このような謄本または抄本は、登記簿の閲覧と同じく、手数料を収めて所定の申請書を提出して請求すれば、登記官が作成し交付してくれます。つまり、この謄本や抄本は、不動産についての権利関係を知るために登記所まで行って登記簿を閲覧するという手数をはぶいてくれる、という役割をします。ただし、謄本、抄本は、だれでもこれを請求し交付を受けられるものですか ら、これを持っているからといって、不動産についての権利者その人であるということの本人証明になるものではありません。
謄本や抄本は、責任ある国家機関(登記官)が現在ではだいたい複写機械で写して作成するものですから、その内容については信用がおけますが、極端な場合を考えれば、私人による偽造や変造の可能性や、専門知識のない人が騙されるというおそれも、皆無とはいえません。例えば、複写の写りぐあいや、押してあるゴム印、職印が不鮮明だったり不自然であったりするときには、近くの司法書士の人や登記所に問いあわせてみるか、いっそ自分で新たに一通取り上せてみるとかするのが、安全でしょう。また、謄本、抄本が二枚以上になる ときは綴じ目に契印かおるはずだということも、おばえておいてよいでしょう。
なお、抵当権などを登記する乙区が付いていない場合には、抵当権登記などがある かも知れないが甲区までの抄本をとったから乙区がないのか、登記簿全体の謄本であるが、もともと抵当権などの登記が全然存在しないから、原本も甲区どまりでしたがって写しにも乙区がないのか、その辺のことは、写しの最後に付く登記官の証明文言を注意して読む必要があります。
最後に、これは最も重要なことですが、いかに紛うことなき本物の謄本、抄本であっても、それは、交付された時点における登記簿の状態の忠実なコピーであるにとどまり、正確に現在の登記簿状態を示している という100%の保障はない、ということです。謄本、抄本交付の翌日にでも移転登記があって登記簿(原本)上の所有者は現在ではすでに変わっているという可能性もあ ります。その意味では、登記簿そのものの閲覧にまさるものはないわけです。
したがって、売主の話と、謄本の内容とが一致しているということだけで、すぐ売買契約をしたり、特に相当の額の手付金を支払ったりしてよいか、といえば、売主や仲に立っている人の人柄とか、商機を逸するかどうかなど、種々の事情もあろうかと思われ、いちがいにはいえませんが、純粋に法律的な可能性の問題としては、危険が全然ないとはいえないわけです。少なくとも、発行日付があまりにも古いものであるときには注意が必要です。

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