登記簿の調査

土地や建物について、所有権その他の権利関係はどうなっているかを社会一般の人に知らせるための公けの帳簿として、登記簿があります。もちろん、土地や建物をめぐるあらゆる権利関係を知るには、登記簿を見るだけで大丈夫というわけではありません。しかし、登記簿が最も重要な調査資料であることは、否定できません。
登記簿を保管し登記事務を取り扱うところの国家機関を、登記所といいます。もっとも、現実に登記所という名称のついた役所があるわけではありません。各地にある法務局か地方法務局、またはその支局か出張所が、法律でいう「登記所」の仕事をします。このような全国各地の登記所の管轄区域は、行政区画を基準にして定められます。つまり、ある不動産についていいますと、その所在地を基準にして、受持ちの一つの登記所が法律上きめられていてここへ行けば、その不動産についての登記簿があります。

スポンサーリンク
土地

不動産についての売買その他の取引について、特に、取引をするかどうかを考慮し決定する判断資料とするために、だれでも、法律の定める手数料を納め、所定の閲覧申請書を提出すれば、登記簿や、それに付属する書類、または地図や建物所在図のうち、自分に利害関係のある部分を閲覧させてもらうことができます。閲覧というのは、登記簿などの帳簿や書類そのものを、登記所内で、登記官の面前で見たり読んだりすることです。また、自分の目で直接に閲覧しなくても、大体それと同じように役立つものとして、登記簿の謄本、抄本、地図の写しなどをもらうという方法もあります。
一般的なこととして心にとめておいていただきたいのは、不動産についての所有権その他の権利関係のすべてが登記簿に記載されているとはかぎりませんから、登記簿以外の資料や事実も調査する必要がある、ということです。
一口に不動産の登記簿といいますが、土地登記簿と建物登記簿とは別になっています。以下の説明で「不動産」というときには、土地または建物の双方に共通の話だと思ってください。登記所では、不動産一つごとに、つまり、土地の場合は一筆ごとに、建物の場合は一箇の建物ごとに一単位の登記用紙を備えつけ、これに必要な記載(登記)を します。そして、土地(筆)は、市区、町、村、字などごとに地番がつけられていますが、土地ごとの登記用紙は、地番の順で集められ、ほどよい厚さごとに、バインダー式の帳簿に綴じられています。建物の場合は、その所在地の地番の順に同じようにバインダー式帳簿に綴じられています。
次に、一つの不動産の登記用紙(登記簿)についてみますと、「表題部」、「甲区」、「乙区」という三つの部分に分かれ、それそれは現実にも別の紙になっています。
最初の「表題部」には、土地なら所在、地番、地目、地積など、建物なら所在、家屋番号、種類、構造、床面積などが記載されます。これを不動産の「表示に関する登記」とよびますが、記載事項について事実に変更があればそれに応じて変更登記をするなど、土地、建物の現在の事実状況を、できるだけ忠実に帳簿上に表示するようにつとめることになっています。表示の登記は、所有者など関係人からの申請がなくとも、登記官は職権で登記をすることができますから、例えば建物を新築した所有者が全然申請をしなくても、登記簿のなかでは、職権によって、その建物について表題部の用紙は開設され、表示に関する登記はされている、ということもあります。
表題部に続く登記用紙は「甲区」とよばれるもので、その不動産の所有 権に関する事項を記載する部分です。ここには、過去から現在までの所有権者の住所、氏名が、それぞれの所有権取得の原因、登記受付の日などとともに記載されていますから、これを順位番号順に見てゆけば、その不動産の所有権が、どのような原因で、誰から誰へ、いつ、移ってきたかがわかり、最も新しい順位番号の欄が現在の所有権者を示しているわけです。甲区の用紙は、最初の所有権登記がなされるさいにはじめて綴じこまれます。したがって、所有者が所有権保存登記の申請をまだしていないため、登記宮が職権で実行した不動産の表示に関する登記を含んだ表題部用紙があるだけ、という不動産もあります。
甲区に続いて綴じこまれる用紙が「乙区」です。乙区は、その不動産についての所有権以外の権利すなわち地上権、賃借権、地役権、抵当権などについて記載するためのものです。例えば、抵当権の登記の場合でいいますと、抵当権者の住所、氏名のほか、抵当権によって担保される債権(被担保債権)の指示、その債権額や利息に関する約定などは、登記記載事項のうちでも重要なものです。なお、所有権の登記はあっても、所有権以外の権利で登記されたものは一つもないという場合には、乙区用紙を白紙で綴じこむことをしませんから、その不動産の登記簿は甲区用紙までで終りということになります。
区分所有建物(分譲マンション)にあっては、区分されて売買される一区画つまり一戸分か法律上一箇の建物であり、登記簿上も当然に、それだけで一箇の建物として、述べたような表題部、甲区、乙区という順での一単位の登記用紙(登記簿)が備えられることは、独立家屋の場合とちがいはありません。ただ、各箇の区分所有建物の登記用紙が綴じてある一番先きに、それら区分所有建物を含んでいる物理的な一棟全体の形状、構造、大きさなどを示すところの、一棟全体の表題部用紙がつきます。これによって、全体一棟の建物と、そのうちの区分所有建物、専用部分の位置、関係などが解りやすくなっています。

土地
不動産購入前の調査と準備/ 売主の事前調査と準備/ 土地と建物は別の財産/ 登記簿の調査/ 登記簿の謄本と抄本/ 権利証/ 土地の分筆と合筆/ 中間省略登記の効力/ 不動産の位置と境界/ 地目と家屋の種類/ 用途制限のある土地売買/ 仮登記や予告登記のある不動産の売買/ 仮処分と仮差押のある不動産の売買/ 登記名義人との契約/ 登記名義人以外の者との契約/ 登記名義人の親族との契約/ 共有者との契約/ 代理人との契約/ 法人との契約/ 不動産業者の利用/ 仲介の取消と手数料/ 不動産業者の責任/ 司法書士・土地家屋調査士の業務/ 売買契約書の効果/ 売買契約と権利証/ 売買契約の立会人/ 売買契約と公正証書/ 売買契約締結の費用と負担者/ 移転登記の仕組と手続き/ 未登記建物の移転登記/ 売買と従物/ 土地家屋の所有権譲渡と賃貸借/ 現金以外の支払方法/ 代金全額を用意できない場合の支払方法/ 住宅ローンの種類/ 住宅ローン利用上の注意/ 住宅の割賦販売約款/ 代金支払の場所と時期/ 同時履行の抗弁権/ 契約履行の費用と負担者/ 契約締結後の当事者の死亡/ 危険負担/ 売買と第三者に対する対抗力/ 売主の登記と明渡の不履行/ 売主の履行遅滞と損害賠償請求権/ 無権代理と表見代理/ 前主への登記請求/ 不動産の差押/ 他人の不動産の売買/ 不動産の二重売買/ 移転登記未了での相続/ 登記の引取請求/ 建たない建売住宅/ 建物の売買と焼失/ 売買代金の取立方法/ 受領遅滞/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー