売主の事前調査と準備

買主は、目的の土地、建物がたしかに売主のものであるか、買主がこの物件を買った場合、将来邪魔になるような担保権や利用権かついていないかを、知りたいものです。このためには、最新の登記簿勝本を用意しておくことが必要です。古い有合せの謄本では、その後の権利関係の様子を知ることができませんので、買主は結局あらためて登記簿を閲覧してくるということになり、それだけ時間を要することになります。また、もし売却する土地が一筆の土地の一部である場合には、この部分を分筆して登記を独立させておくことも必要です。権利証は、契約が成立して登記を移転する際には必要ですが、契約をまとめ るために目的不動産を明確にするという段階では、それほど役に立ちませんなお、買主が登記簿を調査するには、土地については地番、建物については家屋番号を知ることが必要になります。これらは登記簿を整理するための番号で、住居表示の番号とは違いますから、このすべてを知らせてやることが必要です。住居表示を採用していないところでは、土地登記簿の地番がそのまま番地になっています。また、もしその土地、建物が担保に入っていたり、借地人、借家人がいる場合には、それらの契約の具体的な内容を明白に示してやることが必要ですし、建物の敷地が他人の土地で、この賃借権も一緒に譲渡する場合には、地主のこれに対する承諾を予め取りっけておくか、少なくとも、一定の名義書替料か譲渡承諾料を支払えば承諾をしてもらえる程度の内諾を得ておくことが必要です。

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土地

次に、買主は、目的不動産の位置、形状がその使用目的に適しているかどうかを調査したいことでしょう。登記簿だけでは、目的土地の位置や形、敷地内での家屋の位置や方位を明確にすることはできませんので、不十分です。これらの関係は、登記所備付の土地図面(地図)と建物所在図で判りますから、この写しを取り寄せておけばよいでしょう。なお、現場の実測図や写真を用意しておいてこの公図と対照できるようにしておくとか、現揚周辺の地図を用意して駅や商店街、公共施設などとの地理的関係が知られるようにしておくことも必要なことです。
また土地は、住居地域、商業地域、準工業地域、工業地域等の区分によって、それぞれ建築できる建物の種類、構造に制限があったり、建ぺい率が違ったりしています。したがって買主にとっては、土地がどのような制限を受ける土地であるかを知ることは、その土地を使用するうえに極めて大切なことであるはずです。とすれば、この点を明示しておいてやれば、買主としても早く売買についての態度を決定することができることになります。この用途地域の具体的な内容については、都道府県の条令で規制されている都分もありますから、土地所在地の市町村の関係部署(建築課など)に行って尋ねてみることがよいでしょう。
さらに、私道負担の状況や、飲料水、電気、ガス、排水のための施設の整備状況も、明確にしておくことが大切です。
また、家屋については、建築工事を請け負った業者名や、直接外部からは知りがたい天井裏、床下、管内の配線、配管の模様などを知らせておいてやることは、買主がこの家を補修する必要が生じた場合たいへん便利なだけでなく、家の工事についての瑕疵(欠点)が将来問題となる場合にも役立つことがあります。
売買の交渉相手が買主本人であるのか、代理人や被用者であるのかを承知して接することも、取引を進めてゆくのには大切なことです。そして、相手が買主本人でない場合には、交渉の資格や立場を明確にしてもらうことが必要ですし、また、相手が本人と相談しなければ売買の話を進展できない立場にある場合には、折衝の模様が正しく本人に伝わるように配慮する必要があります。そのためには、なるべく、先に述べた書類の写しを用意して、本人への情報の伝達を交渉相手 の口頭だけに類ることのないようにすることが賢明でしょう。
土地、建物が買主の気に入っても、代金の支払その他の売却条件が気に入らなければ、売買契約はまとまりません。そしてこれらの点は、かなりにかけひきや折衝を経てはじめて合意に到達するのが通常でしょうから、予め売主としての希望を用意しておいても、それがそのまま買主によって認められることは少ないかも知れません。しかし、早く話をまとめるためには、代金の決定が困難な場合には鑑定人の価格評価を受けておくとか、少なくともどのような事項を売却条件に織り込むかを用意しておくことは必要です。そしてできれば、これらの個々の条件が合意に達したらこれを記入することで早急に契約書ができるように予め契約書案を用意しておければ、それにこしたことはありません。そして、契約が成立すれば、登記に必要な書類を買主に交付し、それと引換えに代金の支払を受ける、というのが一般ですから、これらの書類を予め用意しておけば、それだけ代金の受領を早くすることができることになります。

土地
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