事業承継の節税プランを提案する

 経営者の老齢化が顕著になりつつある現在、後継者の選定、育成と将来のバトンタッチをにらんだ自社株式のスムーズな移行の問題が、中小企業経営者の頭を悩ます問題として、大きくクローズアップされつつある。
 とくに、後者の自社株式の移行の問題は、税制の大きな壁があって、一朝一タにはいかない問題を抱えている。
 こうした経営者サイドの悩みやニーズをうまく捉えて、それに対する知恵やアドバイスをタイミングよく提供できれば、狙っている取引の実現可能性はそれだけに高まることになる。
 しかし、この問題をマスターするためには、税制上のいわゆる取引相場のない中小企業の株式の評価方式を十分に理解して、その上にたって知恵を働らかさなければならないという、大変なハードルを越えなければならない。
 そこで、ここでは、中小企業の株式の承継がどんな問題を抱えているかを大まかに解説して、この問題に対する知識習得の動機づけをするにとどめることとする。

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 自社株を後継者にあらかじめ移行しようとする場合の大きなネックは、その譲渡価額(贈与を含む)が予想以上に高くなることである。
 それは、相続・贈与を含めて、その企業の中心的な同族グループ間の自社株の移行価額は、相続税法の原則的な評価方式によって評価した額で行なわなければならないことによる。
 なぜなら、その株式の取得者(納税義務者)によって、また、評価される会社の規模によってその評価方法が異なるためである。
 具体的にいえば、類似業種比準方式・純資産価額方式、またはその両方式の折衷方式がそれである。
 これらの方式には、たとえば、類似業種比準価額方式は同種の上場会社の平均株価を基準にして算出しなければならない。純資産価額方式は土地などの資産の含みを表面に出して計算しなければならないなどの問題を抱えており、そのために自社株の評価が非常に高くなる問題を常に内在している。
 そのため何の変哲もない平凡な中小企業の株式も、額面の三倍から五倍ぐらいに評価されるという事態になり、優良企業の場合には何士慨という評価になるケースもざらである。
 この辺に、事業承継上の悩みが集約されている。
 その結果、中小企業経営者の関心は、いかにしたら、自社株の評価を下げられ、少ない税負担で事業承継の基礎を作れるかに集まってきている。
 幸い、そうした対策は皆無ではなく、先ほどの原則的な評価方式の仕組みを利用したいくつかの対策が考えられている。

土地
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