債務控除の制度を有効活用しよう

 個人の所有財産増加、特に不動産の資産価値の上昇が個人財産の増加をもたらし相続税の節税に対する関心が高まってきている。日常の渉外活動で、相続税節税ポイントである「債務控除」を正しく理解し、セールス活動で活用できれば大きな成果に結びつく。
 債務控除は相続または遺贈により取得した財産から被相続人の債務の金額を控除できることで、「被相続人の債務で相続開始の際、現に存するもので、具体的には、1.未払の所得税、地方税等の公租公課、2.現に負担することが明確になっている保証債務等、3.被相続人の銀行等よりの借入金残高等」を言う。
 1.〜2.は確定した債務であり、われわれが顧客より相談を受ける場合、またはセールスをすすめる時、債務控除を活用した不動産取引を推進するためには、3.を活用した相続対策が有効である。
 新規に銀行借入れによって、土地を取得、または、遊休地に銀行借入れにより貸ビル、マンション、アパート等の建物をたて収益事業を実行し、債務をふやすと、土地建物等の不動産は、相純財産評価上では時価よりもかなり低く評価され、相続時の銀行借入金残高はそのまま債務控除されるので、遺産総額全体の課税価額が引下げられ節税の効果を発揮するのである。

スポンサーリンク

 [設例]
 Aさんは預金二千万円時価二億円の更地(相続税評価額一億円)を所有している。Aさんには子供が一人でこの状態で相続が開始されると、相続税は、預貯金(二千万円)+土地の相続税評価額(一億円)、計一億二千万円。基礎控除額二千万円十四百万円(法定相続人数)をマイナスすると、課税額九千六百万円となり、相続税は三千七百七十五万円である。
 預貯金(二千万円)より相続税が多いので、相続人の支払能力次第では土地の売却か物納になる。
 [対策]
 Aさんは[設例]の土地に、一億五千万円で鉄筋コンクリート造りの貸ビルを建設した。この建築工事費は自己資金二千万円、銀行借入八千万円、保証金五千万円を充当し建築をした。この状態でAさんについて相続が開始されると相続税はどうか。なおこの建物の固定資産税評価額は九千万円、当該地区の相続税評価の借地権割合は八〇%、借家権割合は三〇%である。
 1.土地の評価は、貸家建付地評価減が適用され七千六百万円、2.建物は固定資産評価額で建築費の六割とする。これに借家権割合を控除し、貸家としての評価減を加えると建物の評価は六千三百万円である。結局資産は土地建物合計で一債三千九百万円、負債は借入金、保証金合計で一債三千万円となり、債務控除をすると基礎控除以下となり相続税は0となる。
 上記設例のように債務控除制度の活用により、大幅な相続税の節税が図られることにより、不動産取引推進の有効な手段として活用できるのである。

土地
不動産は土地と人間のかかわり方/ 不動産の有効利用はもっとも多面性を持つ/ 不動産は商売の宝庫/ 不動産の有効活用推進のメリット/ 不動産取引は総合取引のチャンス/ 資金管理から資産管理への転換が必要/ 有効利用は立地が決め手/ 不動産売却代金をトレース、預金化する方法/ 不動産の有効利用の資金トレース/ 融資実行と営業斡旋にも気を配る/ 営業斡旋を推進する/ 競争入札時には取引先業者を推薦する/ テナント斡旋業者の協力を得る/ 遊休不動産はないか/ 住宅ローンの提携銀行/ 情報収集のための標語/ 不動産取引は早期情報入手が決め手/ 企業の早期情報入手は営業、企画部門から/ 情報収集は日常活動からつかむ/ 不動産情報に不可欠なアイテム/ 工場は地域分析がポイント/ 不動産担保設定情報を収集、集積する/ 遊休土地を調査する/ 所在・面積・利用状況をリストアップしよう/ 空地・平屋建て・老朽建物に注目/ 相談会を開催し情報入手の仕掛けをつくる/ 専門家から情報ルートを確立/ 設計事務所等関連業者からの情報入手/ 日頃から建設関連業者との深耕を図る/ 不動産業者と上手に付き合う/ 不動産情報の活用が問題/ 不動産のマッチングチャンスの増大/ 不動産は情報の入手がまず必要/ 不動産の情報収集は全員で/ 情報のつまったポケットを沢山もつ/ 土地の有効活用に対するニーズ/ 土地の有効活用を阻害する要因/ 自己開発と不動産賃貸業としての有効利用/ 開発分譲、買換による土地の有効利用/ 貸事務所ビルの特徴と推進ポイント/ 賃貸マンション・アパートの推進ポイント/ 外国人向マンションの推進ポイント/ 貸店舗の特徴と推進ポイント/ ホテルの特徴と推進ポイント/ スポーツ施設の特徴と推進ポイント/ ファミリーレストランの特徴と推進ポイント/ 駐車場の特徴と推進ポイント/ 郊外立地の新しい不動産利用形態/ ニーズに合った事業方式の選択/ 等価交換方式とは/ 事業受託方式の特徴/ 土地信託方式の効用と推進ポイント/ 借地権設定方式の有効性/ 不動産の有効活用は施主寄りの発想が必要/ オーナーへの具体的アプローチ/ 土地所有者のニーズにマッチしたアプローチ/ 物件調査のポイント/ 個別分析と地域分析のポイント/ 事業化に当たってはきめ細かい市場調査を/ 外部戦力を組織する/ 不動産の有効利用のマスタープランの作成/ 設計事務所の活用のポイント/ 建設会社の選定のポイント/ 事業採算計画のたて方/ 資金計画の検討手順/ 不動産賃貸業の経営的特色を生かす/ 入居テナント斡旋の推進ポイント/ メンテナンスは建物の品格を決める/ 管理会社選択のポイント/ 不動産取引推進には節税アドバイスを/ 相続財産の評価額を減少させよう/ 生前贈与による節税効果をアピールしよう/ 債務控除の制度を有効活用しよう/ 不動産オーナーのバランスシートをつかむ/ 相続税の評価額を算出する/ 事業承継の節税プランを提案する/ 不動産譲渡所得税の算出のポイント/ 所得税対策が図れる管理会社の設立/ 株式対策と資産対策/ 再開発プロジェクトはビジネスチャンスの宝庫/ 再開発事業は地方自治体からの情報が大事/ 企業誘致を地場活性化につなげよう/ 再開発の専門セクションを作ろう/ 企業誘致の担当者を置く/ 企業誘致の担当部署のヒアリング/ 企業誘致は進出企業のリスク軽減の設備が必要/ 各種情報提供で企業誘致に取組む/ 誘致企業のリストアップ/ 競合他行と差別化を図るサービス/ 第三セクターや組合との取引/ 地元大口地権者との取引を拡大しよう/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー