資金計画の検討手順

 不動産の有効利用を推進するには事業資金が必要となる。等価交換方式の場合などで土地所有者にほとんど事業資金の負担がないこともあるが、通常は土地信託方式や総合請負方式等で受託者が資金調達を行うような場合でも実質的には事業主の土地所有者が事業資金を負担している。
 土地所有者は自己資金がある場合もあるが、一般的には事業資金の大部分は借入金等による調達が必要である。したがって資金計画や長期収支、資金繰りの検討は事業を進めるうえで重要なポイントである。
 資金計画、長期収支の検討はおおむね次のような手順で行われる。
 1. 総事業費(コスト)の積算
 2. 資金計画の検討
 3. 年度ごとの長期収支、資金繰りの試算
 1.と3.は別項で詳しく検討するのでここでは2.についてみてみたい。

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 土地所有者が自己資金で有効利用を行うケースはそう多くはなく、大部分の事業資金は借入金等により調達しなければならない。
 しかし一般の賃貸ビルでは、テナントは賃料支払いに加え、貸主に保証金・敷金等を預託することが普通である。
 またオーダーリース方式ではテナントが建設協力金・保証金の名目で建築費の一部ないし利用形態によっては全額を貸主に預託する。
 これらのテナントから貸主への預託金は事業資金の一部に充当することができるので、これを予測のうえ資金計画をたてることになる。
 この預託金の主なものは次の通りである。
 1. 保証金
 保証金は、沿革的には賃貸ビルの建設資金の銀行調達が困難な時期にテナントから建設協力金として預ったものであるが、現在は賃貸条件の1つとして定着している。法的性格は貸主とテナントとの間の金銭消費貸借契約に基づく貸金といわれている。特徴としては低利(年一・八〜二・〇%、無利息も多い)で、返済期間も長いことにある。
 2. 敷金
 敷金はテナントの賃料の延滞、債務不履行に備えて貸主が預る金銭である。賃貸借終了時に、テナントに債務不履行がなければ全額返還、不履行があればその分を差引いて返還されるものである。
 事業資金のうち自己資金、預り金を除いた部分は借入金となるが、一般的には金融機関からの融資となる。この融資はプロジェクトベースの個別審査となり、長期的事業という性質上、長期資金融資が普通であろう。
 なお、住宅等の利用形態の場合、フラット35の融資等低利の公的資金を活用できるケースがあるので、十分留意する必要があろう。

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