事業化に当たってはきめ細かい市場調査を

 最近特に都心地域では賃貸ビルの建設がブームの状況を呈している。それに対して外国企業の進出やOA化の進展等によりオフィスの賃貸需要も旺盛で、空室率は極めて低い水準にある。
 しかし地方都市では駅前の一等地でも賃貸ビルが供給過剰で空室率の高いケースもしばしば見られる。
 賃貸ビルでも他の利用形態でも、不動産賃貸業はテナントが予定通り入居してはじめて経営が成り立つものである。したがって事業推進に当って収支予測を分析すると同時に、テナントの需要予測がポイントとなる。需要予測はその意味で重要なのである。

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 需要調査の内容は利用形態によって差があるがおおむね次のようなものがある。
 1. 一般的調査
 (1)入口動向、就業人口、昼夜間人口比、乗降客数の推移
 (2)事業所動態と特徴、金融機関の店舗数、大型小売店舗数、ホテル数
 (3)賃ビル業界等の統計資料(着工数、賃室面積の推移)
 (4)貸ビル業者、建物業者、賃貸業者等からのヒアリング
 2. 個別的要因
 (1)賃料、保証金、敷金の水準
 (2)標準的な貸室面積、テナント業種
 (3)入居率の推移
 なお、賃料水準の比較に当っては、「実質賃料」ベースで比べる必要がある。一般的に不動産の賃貸では、テナント貸室面積1平方メートル当り、何千円(一ヵ月)という「支払賃料」を負担するほかに、貸主に対し保証金、敷金等を預託する。したがって賃料の比較は支払賃料にこれらの預り金の予想運用益を加えた実質賃料で比較しなければならない。
 利用形態がショッピングセンター、ホテルスポーツ施設、郊外レストラン等のオーダーリース型の利用形態の場合、土地所有者は建物を賃貸するだけの立場であるが、賃料・保証金等の水準調査のみならず、ショッピングセンター等が事業として成立するかどうか、すなわち需要動向の調査も必要である。
 オーダーリース型の利用形態は建物に汎用性がないため、テナントの経営状態が悪化し、撤退するような事態が生じた場合、同一用途のテナントに賃貸することが困難なことが多い。したがってテナントの経営見通し、中でも需要動向の把握は重要である。
 具体的には専門コンサルタントによる需要調査、競合店の出店動向調査、またショッピングセンター等では商調協の規制や新規出店が凍結されていないかどうか等を必要に応じて調査することとなろう。

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