土地所有者のニーズにマッチしたアプローチ

 土地所有者の不動産有効利用のニーズをつかんだ後どのようにして、具体的に所有者にアプローチし、交渉を進めていけばよいであろうか。
 これには、土地所有者との突込んだ話し合いが必要となるが、この交渉にあたっては、1.安定収入の確保、2.相続対策を含めた税務対策の二点が主なポイントとなる。
 1.の収入の確保については、後述するマスタープランの項目でも触れるので簡単に述べるが、「確実に儲かる」というデータを具体的に過去の事例やプランをもとに、説得力ある入居等の見込を説明し、説得するしか方法はない。
 しかし、資産家の場合、より大きなニーズは2.切相続税を含めた税務対策であろう。したがって、この税務対策のニーズにマッチするような形で、所有者との折衝を進めていく必要がある。

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 まず、不動産の所有者であるオーナーの資産と負債を把握することが必要であり、そこから始めることである。
 資産は「土地・建物・現預金・有価証券・動産」等であり、負債は「借入金」等である。これにより、いわば、オーナー個人のバランスシートをつくってみる。
 これらが把握できないと、相続財産、つまり相続税評価額がわからず税務対策のたてようがない。
 現預金や有価証券、動産は、すぐに相続税評価額がわかるが、把握しにくいのは、土地と自社株である。土地の場合、実勢価格はわかっても相続税評価額が把握できないケースも多い。
 また、オーナーが会社経営をしている場合も問題が大きくなる。経営者であれば、当然、相当数の自社株を保有しているのだが、この自社株の評価がはっきりとつかめず、実際の相続財産がつかめないケースがよくある。これらを的確に把握し、バランス・シートをつかむことがまず交渉を実りあるものにする第一歩なのである。
 相続税の評価額把握についてもう少し具体的にみてみよう。
 まず、土地については、その相続税評価額を算出するには、次の二通りがある。
 1. 路線価方式
 2. 倍率方式
 建物については、新築一〜二年というケースはほとんどないので、ゼロ査定という場合が多い。
 また、土地所有者が企業経営者である場合、その自社株の評価方法としては、1.純資産価額方式、2.類似業種比準方式、3.配当還元方式、の三方式がある。
 これらを十分駆使し、所有者個人のバランスシートを把握し、プランニングした土地の有効利用による節税メリットを、図表と試算を用いながら目に訴えていくことがポイントである。
 つまり、有効利用により建物を建設すると、どれだけの節税効果があるかを算出し、事業承継等を含めた様々な面で、有効利用の有利性をアピールすることが重要なのである。

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