土地信託方式の効用と推進ポイント

 土地信託は、土地を実質的に手放すことなく有効利用が図れる制度として、近年各方面から注目されており、信託八行の受託件数は千五百件(基本協定ベース)を超えている。
 土地信託が増加している背景には、地価の高騰による公租公課および相続税負担の増大に伴う土地の有効活用ニーズの高まり、都市再開発事業の誘導促進策の充実、国、地方公共団体による民間活力導入気運の高まりといった要因が考えられる。
 土地信託はさまざまな利用形態が考えられるが、ここでは一般的な賃貸型について簡単に説明する。
 土地信託の仕組は、地主等(借地権者を含む委託者)が信託銀行(受託者)に土地を信託し、信託銀行が信託財産の管理・運用として地主等に代って必要資金の借入、建物の建設、賃貸事務等を行い、賃貸収入から借入金、公租公課、信託報酬等を差引いたものを信託配当として受益者に交付するものである。

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 土地所有者のメリットとしては、次の1.〜4.が上げられるのに加えて、土地・建物の名義が信託銀行に換わるため(信託による所有権移転)、土地所有者が表面に出ないことが特色である。
 1. 土地所有者は、土地を手放さずに有効利用を図ることができる。
 2. 建設会社との折衝、テナント募集、管理運用等は、信託銀行が行うのでわずらわしさがなく、また、ノウハウがなくても、有効利用ができる。
 3. 受益権を機関投資家等に売却したり、担保にして資金化か図れる。
 4. 借入金等は、土地所有者の負債とされ相続税対策が図れる。
 また、普通銀行等金融機関にとっては、土地有効利用案件を信託銀行とタイアップすることにより、次のようなメリットが期待できる。
 1. 建物を建設するに当って行う資金借入について、信託銀行との協調融資が可能となる。
 2. 建築会社、設計会社等建築に係わる種々の企業との取引糸口の拡大が図れる。
 3. 取引先企業にテナント斡旋することによる保証金融資、保険紹介等の取引親密化が図れる。
 4. 信託銀行とのタイアップにより従来対応できなかった取引先の土地所有者のニーズを充足させることが可能である。
 土地信託は今後、国や地方公共団体の土地をも対象とする時期に来ており、その活用の余地は大きく、金融機関にとっても、その制度や仕組みを十分に研究する必要があろう。

土地
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