事業受託方式の特徴

 事業受託方式は、建物の企画、設計、建設から、建物完成後のテナント募集、メンテナンス等の管理・運営まで一切をディベロッパーやゼネコンなどがパッケージにして請負う方式である。各々のディベロッパー、ゼネコンにより様々な名称がつけられているが、おおむねシステムは同じである。
 後に述べる土地信託との違いは、この方式では形式的には土地所有者が事業主であり、事業資金の調達も行うので、この点では自己開発と同じ形になる。しかし、実態としては、請負ったディベロッパー等が大部分の業務を引受けているので、ディベロッパー主導の共同事業といえるものである。
 事業受託方式は概ね次のような仕組みとなっている。
 1. 土地所有者はディベロッパー等に事業計画の立案を依頼し、合意した企画に基いてディベロッパーに建築工事を発注する。
 2. 土地所有者は、ディベロッパー等の斡旋する金融機関から事業資金を借入れ、工事代金を支払う。
 3. 土地所有者は完成した建物をディベロッパーに一括賃貸する。ディベロッパーは、この一括賃借した建物について、テナント墓集を行い、エンドユーザーに賃貸する。

スポンサーリンク

 この方式の土地所有者のメリットとしては次のことがあげられる。
 1. 土地所有者は土地を手放すことなく有効利用を図ることができる。
 2. 建設会社等との一連の業務はディベロッパーが行うので煩しさがなくまたノウハウがなくても事業を行うことができる。
 3. ディベロッパー等が一括して建物を賃借するので、空室リスクがなく、安定的な収入を確保することができる。
 ただし、一括賃借の賃料は、ディベロッパーからエンドユーザーヘの転貸料の80パーセント程度が普通なので、収益的には低く抑えられる。
 4. 借入金利息や減価償却費の費用計上、借入金等が相続税上の債務控除対象となることなどの税務上のメリットも得られる。
 一方、金融機関にとって、ディベロッパー等とタイアップし、このような方式で有効利用を進めるメリットとしては、まず土地所有者に対して建築資金等の融資が可能である。また、設計、建設業者の紹介、エンドユーザーのテナントの幹旋などにより、既存取引先や新規取引先との取引拡大を図ることもできる。
 不動産有効利用のニーズが高まる中で、この方式はディベロッパー、ゼネコンから中小不動産業者に至るまで取扱うようになってきている。有効利用の業務は長期的なもので、かつパートナーとの信頼関係が重要であることから、金融機関としては実績と信用力のあるパートナーを斡旋する必要がある。

土地
不動産は土地と人間のかかわり方/ 不動産の有効利用はもっとも多面性を持つ/ 不動産は商売の宝庫/ 不動産の有効活用推進のメリット/ 不動産取引は総合取引のチャンス/ 資金管理から資産管理への転換が必要/ 有効利用は立地が決め手/ 不動産売却代金をトレース、預金化する方法/ 不動産の有効利用の資金トレース/ 融資実行と営業斡旋にも気を配る/ 営業斡旋を推進する/ 競争入札時には取引先業者を推薦する/ テナント斡旋業者の協力を得る/ 遊休不動産はないか/ 住宅ローンの提携銀行/ 情報収集のための標語/ 不動産取引は早期情報入手が決め手/ 企業の早期情報入手は営業、企画部門から/ 情報収集は日常活動からつかむ/ 不動産情報に不可欠なアイテム/ 工場は地域分析がポイント/ 不動産担保設定情報を収集、集積する/ 遊休土地を調査する/ 所在・面積・利用状況をリストアップしよう/ 空地・平屋建て・老朽建物に注目/ 相談会を開催し情報入手の仕掛けをつくる/ 専門家から情報ルートを確立/ 設計事務所等関連業者からの情報入手/ 日頃から建設関連業者との深耕を図る/ 不動産業者と上手に付き合う/ 不動産情報の活用が問題/ 不動産のマッチングチャンスの増大/ 不動産は情報の入手がまず必要/ 不動産の情報収集は全員で/ 情報のつまったポケットを沢山もつ/ 土地の有効活用に対するニーズ/ 土地の有効活用を阻害する要因/ 自己開発と不動産賃貸業としての有効利用/ 開発分譲、買換による土地の有効利用/ 貸事務所ビルの特徴と推進ポイント/ 賃貸マンション・アパートの推進ポイント/ 外国人向マンションの推進ポイント/ 貸店舗の特徴と推進ポイント/ ホテルの特徴と推進ポイント/ スポーツ施設の特徴と推進ポイント/ ファミリーレストランの特徴と推進ポイント/ 駐車場の特徴と推進ポイント/ 郊外立地の新しい不動産利用形態/ ニーズに合った事業方式の選択/ 等価交換方式とは/ 事業受託方式の特徴/ 土地信託方式の効用と推進ポイント/ 借地権設定方式の有効性/ 不動産の有効活用は施主寄りの発想が必要/ オーナーへの具体的アプローチ/ 土地所有者のニーズにマッチしたアプローチ/ 物件調査のポイント/ 個別分析と地域分析のポイント/ 事業化に当たってはきめ細かい市場調査を/ 外部戦力を組織する/ 不動産の有効利用のマスタープランの作成/ 設計事務所の活用のポイント/ 建設会社の選定のポイント/ 事業採算計画のたて方/ 資金計画の検討手順/ 不動産賃貸業の経営的特色を生かす/ 入居テナント斡旋の推進ポイント/ メンテナンスは建物の品格を決める/ 管理会社選択のポイント/ 不動産取引推進には節税アドバイスを/ 相続財産の評価額を減少させよう/ 生前贈与による節税効果をアピールしよう/ 債務控除の制度を有効活用しよう/ 不動産オーナーのバランスシートをつかむ/ 相続税の評価額を算出する/ 事業承継の節税プランを提案する/ 不動産譲渡所得税の算出のポイント/ 所得税対策が図れる管理会社の設立/ 株式対策と資産対策/ 再開発プロジェクトはビジネスチャンスの宝庫/ 再開発事業は地方自治体からの情報が大事/ 企業誘致を地場活性化につなげよう/ 再開発の専門セクションを作ろう/ 企業誘致の担当者を置く/ 企業誘致の担当部署のヒアリング/ 企業誘致は進出企業のリスク軽減の設備が必要/ 各種情報提供で企業誘致に取組む/ 誘致企業のリストアップ/ 競合他行と差別化を図るサービス/ 第三セクターや組合との取引/ 地元大口地権者との取引を拡大しよう/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー