ニーズに合った事業方式の選択

 不動産の有効利用について検討を進めた結果、利用形態が決まったとして、次にどのような手法で事業化するか、つまり事業手法が問題となる。有効利用に開する主な事業方式として、次のような方式がある。
 1. 自己開発方式
 2. 総合請負方式(事業受託)
 3. 土地信託方式
 4. 等価交換方式
 5. 借地権設定方式
 自己開発方式は、有効利用に関する企画、資金調達、建物の建設から経営、管理まで、すべて土地所有者が自ら行う方式である。事業収益がすべて土地所有者に帰属する反面、リスクもすべて負うことになる。

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 総合請負方式と土地信託方式は、ともに前に述べた不動産賃貸業方式のうち企画、経営、管理等のすべてまたは一部を第三者に委ねる方式である。ディベロッパー、建設会社または信託銀行が建物の企画、建設、運営、管理等をパッケージにして受託する方式なので、土地所有者は事業により生ずる収益を待っているだけでよく、ノウハウ等がなくても有効利用が可能となる。
 等価交換方式は、ディベロッパーに建物を建てさせて、土地の一部とその建物の一部を交換し、取得した建物を賃貸等により運用し収益を得てゆく方式である。事業資金を全く負担せずに有効利用が可能となるが、土地所有権の一部を売却し、建物も区分所有等になる点に特徴がある。
 最後の借地権設定方式は、土地を利用する者に土地を賃貸し、地代を得る方式である。土地所有者は安定的な収益を得ることができるが、有効利用としての事業はすべて借地人が行うものなので、他の方式とはやや趣を異にする方式といえる。
 事業手法は、前述した土地所有者の有効利用のニーズと有効利用を阻害する要因との組合せにより、各々土地所有者に適した手法を選択する。
 土地所有者が土地を絶対に売りたくないのかどうか、どのような税金問題を抱えているのか、事業開始の初年度からある程度の手取収益が必要なのかどうか。
 さらに、有効利用を進めるに当って、土地所有者に不足しているものは何か、すなわち企画・推進のノウハウなのか、時間的余裕がないのか、資金調達面に不安があるのか等により、選択される事業手法は異なってくる。
 また、事業方式も各々の方式ごとに特徴をもち、長所・短所があるので、有効利用を推進するわれわれとしては、それらの特徴を十分理解し、土地所有者の意図に最も適合する事業方式を選択できるようにする必要がある。

土地
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