土地の有効活用に対するニーズ

 いまや土地は「単に所有する時代」から「有効利用を図り収益をあげる時代」になっていると言われ、「不動産の有効利用」がかつてない盛り上りをみせている。
 この不動産の有効利用の高まりの背景には、それを促す土地所有者のニーズが幾つかある。このニーズを正確につかむことが、金融機関として顧客の不動産の有効利用を進める第一のポイントである。

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 第一に、土地処分に対する消極性がある。わが国では、保有する土地はなるべく手放したくないという傾向が強い。先祖伝来の土地に対する愛着という面もあるし、長期的にみて土地は値上りするという、「土地神話」からインフレヘッジとしての資産価値に着目し、土地所有者は土地処分に対して消極的で有効利用を考えることになる。
 第二に、安定収益の確保がある。近隣地域の変化、高齢化などの理由から、現在の事業をやめ、所有地を見直し、収益資産化することにより、不動産賃貸業で安定収益の確保を図ることも、不動産の有効利用のニーズの大きな要因の一つである。
 第三に、処分に伴う課税負担の回避がある。土地所有者が遊休化している不動産を処分しようと考えても、処分した場合、その売却益に対し個人では譲渡所得税が、法人では法人税や土地重課制度による課税負担があり、処分するメリットがないことが少なくない。このような場合、処分する代りに有効利用を考えるケースが多い。
 第四に、保有経費の吸収がある。土地はただ所有しているだけでも、毎年固定資産税や都市計画税などの保有税が課税されるが、これらの課税標準額は地価上昇に伴って上昇し、負担が重くなっている。このような重くなる保有経費を所有地の有効利用を図り、収益でカバーしたいというケースも増加している。
 第五に、相続対策である。土地を相続する場合、相続税評価は路線価方式または固定資産税評価額を基準とする倍率方式によるが、この評価額も地価上昇に伴い年々上昇している。
 しかし、土地を有効利用し賃貸ビルを建てると、土地は貸家建付地、建物は貸家の評価となり、相続税評価額を下げることができ、また建設資金として借入れた借入金やテナントから預かった保証金、敷金等は債務控除として控除することができる。有効利用にはこのような相続対策としての効果を期待できる。
 第六に、所得税対策である。不動産の有効利用により得られる賃貸収入は、他の所得と合算して課税されるが、賃貸事業における固定資産税等の税金、火災保険料、維持修繕費、借入金利息等は必要経費として費用計上することができ、節税効果をもたらすことも多い。

土地
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