空地・平屋建て・老朽建物に注目

 不動産取引を推進するにあたって、まず店周半径百メートルに的を絞ってはどうか。支店の百メートル以内とは、そのほとんどが商業集積地であり、いわゆる。有効利用に適する物件が多いためである。
 さらに店周は顧客にとって至近性、利便性に優れた地域であるので、今後、自由化がいくら進んでも銀行にとっては最大の武器であり続ける地域である。
 したがって、店周百メートル程度を徹底的にメイン取引化することが、自由化に生き残るための大きな戦略の一つでもある。その店周の中で特に注目すべき対象は、駐車場を含めた空き地、平屋建てなど空間の利用が可能なもの、耐用年数のきている古い建物である。
 これらは当然有効利用が図れる物件であるが、今までは、手をつけたくても、なかなかできなかったというのが本音ではないだろうか。

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 この三つの対象先は、現時点で資金がなくても、潜在的には必ず節税、相続、事業承継に関するニーズがある。
 したがって、既先、新規先を問わずに、これらを有効利用することにより、需資を創造していくという発想が必要である。
 そして、需資を創造するためにテリトリーマップを作り個別に顧客のニーズを洗い出していかなくてはならない。
 そのための基本スタンスとしては、従来の「待ちの姿勢」ではなく、「攻めの姿勢」に転換する必要がある。建物が完成してから入居者取引を進めるようでは遅い。自らがオルガナイザー機能を発揮し、源から仕掛けていくという前向きなスタンスとノウハウにより需資を堀り起こすのである。
 不動産取引の最大のメリットは言うまでもなく長期資金の拡販が可能なことである。では、長期を売るにはどうしたらいいのか。空き地、平屋建て、老朽建築物に対して、何を建てる(建替え)か。建築資金がなければ当然貸出す。さらに、貸ビルやマンション・アパートの場合は家賃を設定し、収支計画を全部作成する。
 こうしたオルガナイザー機能をフルに発揮し、収支計画、ビル建築、融資、入居者の斡旋の四つをすべて銀行がタイアップすることによって、貸倒れのない長期安定資金を貸出すことができる。
 裏を返せば、不動産取引は有効利用促進という発想で攻めなければ成立しないということである。
 また発想は前向きであっても実行に当っては、税務・法務・財務の三テクの業務知識が必要不可欠である。あるいは建設業者、設計事務所、行内の関連セクションとの連携がなければ具体化しない。今日できることを明日にのばさずやらなければならない事を直視し、一つずつ蓄積していくことが、まさに競合他行を差別化し、かつ顧客の信頼を得る最も近い連であることを再確認したい。

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