企業の早期情報入手は営業、企画部門から

 最近の日刊紙に「都銀もドブ板商法時代」として次のような記事が載っていた。その要旨は、ある都銀の営業マンが、「銀行が借り手に選別される時代に正面から切込んでもダメですよ。裏口をたたかなけりゃ新規融資先の開拓なんてできません。もちろん、裏口とは経理担当者のことではなく、企業の第一線で働く人達や、その企業の取引関係者ら融資に直接関係のない人を指すのです。このような人達から企業がどのような経営状態にあり、どのような戦略を立てているかを調べ、ニーズを先取りするのです。そして足を棒にして企業の土地購入や設備調達の仲介、斡旋で目の回る毎日です」。
 これは現在の銀行のあり方を端的に言い表わしている。今や銀行は、資金需要を創り出す営業展開をいかに行うかが生き残り戦略として最重要課題であり、なかでも金融取引面で多大の成果が期待できる不動産情報の活用が最大の目玉といっても過言ではない。

スポンサーリンク

 そこで、この情報収集法を考えるとき、まず第一は、銀行サイドからの原始情報の入手である。通常これには、足で集め、目で調べ、耳で確める方法が考えられる。
 次のステップは、この原始情報をもとにして企業経営者の本音のニーズを聞き出すことである。それには、先の記事のごとく、企業内の中枢部門、あるいは企業を取りまく人達をも含めた人的つながりを求めることである。
 場合によっては、サンプル情報を提供しながら、最終的には企業の経営計画の核心に迫り、たとえば、工場移転、遊休不動産売却にかかる財務体質の改善等といった諸施策をいち早くキャッチし、これに迅速に対応していくことである。したがって不動産情報の入手には、こうした一連の流れを絶えず念頭に置きながら進めることが肝要である。
 具体的に一つの例をあげると、目で調べる資料の一つに財務資料がある。従来、多くの銀行マンは入手した財務資料について、単に融資可否の判断材料としての側面からのみこれを利用し、そしてできる限り企業の経理担当者と親密になることを心掛けた。
 その主たる目的は、財務資料の背景にある真実を読み取り、計数面から企業の実体を把握することと、今後の融資方針の判断材料を得ることに重きがおかれていたといえる。しかし、財務諸表一つを見ても、計数兆候から数字の裏側に隠れた具体的な不動産の動き等を察知しなければならない。
 たとえば経常利益率の動向から経営者の投資意欲を推察したり、P/Lの特別利益の突出とB/Sの土地勘定の減少から所有不動産の処分、それに伴う買替えニーズの発生が考えられる。
 そして、こういった認識に立って企業の総務、企画担当者と接することにより、企業の本源的ニーズを導き出すのである。
 したがって、折衝相手も単に経理担当者だけではなく、むしろ中枢部門である企画担当に照準を当てねばならない。
 今後は、このようなセンスを持って営業に当たることが、ますます重要といえよう。

土地
不動産は土地と人間のかかわり方/ 不動産の有効利用はもっとも多面性を持つ/ 不動産は商売の宝庫/ 不動産の有効活用推進のメリット/ 不動産取引は総合取引のチャンス/ 資金管理から資産管理への転換が必要/ 有効利用は立地が決め手/ 不動産売却代金をトレース、預金化する方法/ 不動産の有効利用の資金トレース/ 融資実行と営業斡旋にも気を配る/ 営業斡旋を推進する/ 競争入札時には取引先業者を推薦する/ テナント斡旋業者の協力を得る/ 遊休不動産はないか/ 住宅ローンの提携銀行/ 情報収集のための標語/ 不動産取引は早期情報入手が決め手/ 企業の早期情報入手は営業、企画部門から/ 情報収集は日常活動からつかむ/ 不動産情報に不可欠なアイテム/ 工場は地域分析がポイント/ 不動産担保設定情報を収集、集積する/ 遊休土地を調査する/ 所在・面積・利用状況をリストアップしよう/ 空地・平屋建て・老朽建物に注目/ 相談会を開催し情報入手の仕掛けをつくる/ 専門家から情報ルートを確立/ 設計事務所等関連業者からの情報入手/ 日頃から建設関連業者との深耕を図る/ 不動産業者と上手に付き合う/ 不動産情報の活用が問題/ 不動産のマッチングチャンスの増大/ 不動産は情報の入手がまず必要/ 不動産の情報収集は全員で/ 情報のつまったポケットを沢山もつ/ 土地の有効活用に対するニーズ/ 土地の有効活用を阻害する要因/ 自己開発と不動産賃貸業としての有効利用/ 開発分譲、買換による土地の有効利用/ 貸事務所ビルの特徴と推進ポイント/ 賃貸マンション・アパートの推進ポイント/ 外国人向マンションの推進ポイント/ 貸店舗の特徴と推進ポイント/ ホテルの特徴と推進ポイント/ スポーツ施設の特徴と推進ポイント/ ファミリーレストランの特徴と推進ポイント/ 駐車場の特徴と推進ポイント/ 郊外立地の新しい不動産利用形態/ ニーズに合った事業方式の選択/ 等価交換方式とは/ 事業受託方式の特徴/ 土地信託方式の効用と推進ポイント/ 借地権設定方式の有効性/ 不動産の有効活用は施主寄りの発想が必要/ オーナーへの具体的アプローチ/ 土地所有者のニーズにマッチしたアプローチ/ 物件調査のポイント/ 個別分析と地域分析のポイント/ 事業化に当たってはきめ細かい市場調査を/ 外部戦力を組織する/ 不動産の有効利用のマスタープランの作成/ 設計事務所の活用のポイント/ 建設会社の選定のポイント/ 事業採算計画のたて方/ 資金計画の検討手順/ 不動産賃貸業の経営的特色を生かす/ 入居テナント斡旋の推進ポイント/ メンテナンスは建物の品格を決める/ 管理会社選択のポイント/ 不動産取引推進には節税アドバイスを/ 相続財産の評価額を減少させよう/ 生前贈与による節税効果をアピールしよう/ 債務控除の制度を有効活用しよう/ 不動産オーナーのバランスシートをつかむ/ 相続税の評価額を算出する/ 事業承継の節税プランを提案する/ 不動産譲渡所得税の算出のポイント/ 所得税対策が図れる管理会社の設立/ 株式対策と資産対策/ 再開発プロジェクトはビジネスチャンスの宝庫/ 再開発事業は地方自治体からの情報が大事/ 企業誘致を地場活性化につなげよう/ 再開発の専門セクションを作ろう/ 企業誘致の担当者を置く/ 企業誘致の担当部署のヒアリング/ 企業誘致は進出企業のリスク軽減の設備が必要/ 各種情報提供で企業誘致に取組む/ 誘致企業のリストアップ/ 競合他行と差別化を図るサービス/ 第三セクターや組合との取引/ 地元大口地権者との取引を拡大しよう/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー