競争入札時には取引先業者を推薦する

 自行の融資代り金に限らず、建築代金の資金トレースは、流動性預金の歩留り向上に大きく寄与する。しかも、その建設工事が取引銀行の推薦で獲得したものであれば、建設業者の自行に対する感謝の念は、極めて高いであろうし、預金協力についても相当の努力を払ってくれる。さらに建設業者との取引関係が密接なものになっていくのは当然であろう。
 このようなわけで、今や、銀行が建築業者の推薦及び決定に積極的に関与しているケースが多い。

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 しかし、不動産オーナーは、業者決定には極めて慎重かつ神経質になっているのが普通である。なぜなら、できる限り立派な建物を建てたいという願望がある上、競争激化の昨今のことであるから、自薦他薦の数多くの建設業者がオーナーに群がってくるからである。
 したがって、業者の推薦は慎重に、しかもタイミングよく行う必要がある。
 それには、
 1. 情報を早期にキャッチして、早い時期から、オーナーの建築計画に関与すること
 2. オーナーが、何んでも自行に相談してくれるような親しい関係を形成しておくこと
 3. 業者決定には、設計事務所の意見が大きく影響をおよぼすので、自行取引先の設計事務所を事前に紹介する。すでに、設計事務所が決定している場合は、そちらとも連携を保つように努力すること
 4. 自店・自行の建設業者の業容、信用度、得意な建築分野、工事経歴等を事前に調査しておき、適切な業者推薦に努めること
 などに留意することが肝要だ。
 さて、施工業者の決定方法には、あらかじめ業者を1社だけに限定する、いわゆる特名発注と数社を選んで、その中で競争入札させる方法がある。推薦業者に特名発注してもらえれば、一番いいわけであるが、最近は比較的小規模な工事であっても、入札で決めるのが多くなってきたようだ。
 入札といっても、最近は建築価格の競争だけでなく、建物完成後の一部賃借保証条件等のソフト・ウェアーも提示させる場合も生じてきている。
 このような場合、必ずしも、最低価格の業者に決定するとは限らない。業者の工事信用力、推薦人の影響力など、さまざまな要素が加わってくることも考えておきたい。
 また、入札参加者の中に、推薦業者の他にも自行取引先があった場合、あるいは、他の有力な取引業者を推薦から外した場合などは、後日、困難なトラブルに巻き込まれかねないので、推薦に当たって、どの段階まで関与するか、慎重な判断が必要で、推薦の限界をわきまえることも大事である。

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