有効利用は立地が決め手

 有効利用というのは不動産取引において立地の制約が最初にして最後の決め手となる性格がもっとも顕著である。「売り買い」というのは、自己使用ないし資産保有という目的があるため、当面の使用価値には眼をつむるケースや、特定の人にとってのみ有用な取引(たとえば隣地買収など典型例)が存在しうる。ところが有効利用というのは現時点で、第三者にとっての使用価値が問われているのである。
 土地所有者が「この土地はいい土地だ」と思っている「売れる土地」必ずしも「有効利用できる土地」とは限らない。
 人口集積のある地区、商業集積地が上地の有効利用アプローチのターゲットである。
 その意味では首都圏等の大都市圏がもっとも商売のチャンスが大であり、開拓を強化すべき地区であることは当然である。

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 地方の時代と言われて久しいが、これは非常に政行性のある問題なので、地方都市においては不動産有効利用の案件は地域特性が強い。
 地方都市の場合は、いわゆるビジネス街とか商業地の範囲が首都圏に較べると相対的に狭く、相談される案件のうち有効利用に適するとは限らないものが多い。
 しかし、こうした状況においても、地方の都市部に立地する支店でも、有効利用を法人取引の一つの大きな柱、戦略として位置づけ取組むべき余地は充分ある。
 具体的に、地方においても不動産有効利用が図れるケースとして、工場の誘致、流通業者に対する賃貸用建築物の建設、そしていわゆる沿道サービス業とのタイアップの三つを代表例としてあげておこう。
 企業誘致に関しては別稿に譲るとして、流通業者に対する賃貸用建築物の場合は、まず、出店計画を把握する。そして、当該流通業者の土地に対するニーズ、すなわち倉庫用地、営業所用地、店舗用地等の類型を把握し、また、買収か賃借かも確認する。
 そのうえで、徐々におおよその立地条件と所要面積等をしぼり込んでいき、取引先等の土地所有者の具体的な土地とマッチングさせていく。
 このように、的をしぼりながら有効利用を実現させていくことが効果的である。とくに外食産業に代表される沿道サービス業の場合、その立地条件は、マニュアル化されていることが多く、アプローチ可能地域は比較的わかりやすくターゲットをしばった営業活動が可能である。
 また、事業所や事務所ビルの推進にあたっては、既取引先や新規アプローチ先からまず賃借のニーズを固めてから地主をあたるという、オーダーリース型の有効利用を促進してみたい。無駄のない成果が期待できよう。

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