不動産の有効利用はもっとも多面性を持つ

 ひとつのアクションを起こせば不動産の取引というのは必ず二面性をおびてくる。売りがあれば必ず買いがあり、貸し手がいれば借り手がいるわけで、一つのアクションで必ず二者が関係することになり、二つのビジネス・チャンスが生まれて来る。土地売買というと銀行マンが注目するのは当り前で、売り手は代金を手にするわけだから個人・法人を問わず預金吸収のターゲットになる。また、買い手は売り手への代金支払のため「借入」という銀行取引が発生する可能性大である。また、法人の場合は、代余念出のため遊休地の処分ということも発生する。いずれにしても銀行取引上買い手も重要な顧客であることは当然である。

スポンサーリンク

 不動産有効利用というと売り買いと違って、従来はあまりビジネス・チャンスが多くないという意識があった。しかし不動産有効利用というのは、銀行取引上は売り買いに劣らず、あるいはそれ以上に奥行きが広い分野なのである。すなわち、不動産有効利用の一連の流れに登場する者は、売り買いに較べて多岐にわたる。不動産の有効利用とは、土地を売らずに、そこに建物をたてて賃貸事業を営むというのが一般的な形態である。賃貸であるからには賃貸人と賃借人がいるわけで、ここですでに不動産取引の二面性は実現している。加えて、建物をたてる過程で関与する人々がいる。建築会社、(その下請会社)、設計会社をはじめ、個人地主の場合なら税務対策の過程で税理士も関与してくる例も多い。この人々とのかかわりをすべてビジネス・チャンスと考えれば、有効利用は二面性どころか、三面性、四面性をもつ不動産取引であることが理解できるものと思う。
 また土地所有者からの不動産に関する相談事というのは、銀行側にとっては、自行がもっとも信頼を受けているあらわれであり、特に大事にすべきことで、最近は単なる売り買いの相談は比較的すくなく、有効利用の相談が比重を高めつつある。
 わが国では基本的に、保有する土地はなるべく手放したくないという意向が強いことから、土地所有者はまず最初に有効利用を検討するものである。このような背景には長期的にみて土地は必ず値上りするという「土地神話」やインフレ・ヘッジとしての資産価値が着目されていることがあげられる。また個人地主の場合で、特に多くの土地を所有しているいわゆる資産家はまず相続対策を考えるもので、土地の売却よりも有効利用の検討がその第一段階になる。そして諸々の検討を加えた結果、有効利用すなわち賃貸事業に適さない土地につき売却の可否を考えるのが通常の検討のプロセスである。
 このように最終、売却に至る事例でも相談の入口は「有効利用」というケースが多い。また有効利用の相談というのは、法人なり個人の経済活動の最も根幹的な部分に属する。したがって、相談の過程で一度顧客の信頼を勝ち得ればたとえ当該相談案件が実現化しないときでもその顧客の実質的なメインバンクとなり得、諸々の銀行取引獲得のチャンスを手にすることが期待できる。

土地
不動産は土地と人間のかかわり方/ 不動産の有効利用はもっとも多面性を持つ/ 不動産は商売の宝庫/ 不動産の有効活用推進のメリット/ 不動産取引は総合取引のチャンス/ 資金管理から資産管理への転換が必要/ 有効利用は立地が決め手/ 不動産売却代金をトレース、預金化する方法/ 不動産の有効利用の資金トレース/ 融資実行と営業斡旋にも気を配る/ 営業斡旋を推進する/ 競争入札時には取引先業者を推薦する/ テナント斡旋業者の協力を得る/ 遊休不動産はないか/ 住宅ローンの提携銀行/ 情報収集のための標語/ 不動産取引は早期情報入手が決め手/ 企業の早期情報入手は営業、企画部門から/ 情報収集は日常活動からつかむ/ 不動産情報に不可欠なアイテム/ 工場は地域分析がポイント/ 不動産担保設定情報を収集、集積する/ 遊休土地を調査する/ 所在・面積・利用状況をリストアップしよう/ 空地・平屋建て・老朽建物に注目/ 相談会を開催し情報入手の仕掛けをつくる/ 専門家から情報ルートを確立/ 設計事務所等関連業者からの情報入手/ 日頃から建設関連業者との深耕を図る/ 不動産業者と上手に付き合う/ 不動産情報の活用が問題/ 不動産のマッチングチャンスの増大/ 不動産は情報の入手がまず必要/ 不動産の情報収集は全員で/ 情報のつまったポケットを沢山もつ/ 土地の有効活用に対するニーズ/ 土地の有効活用を阻害する要因/ 自己開発と不動産賃貸業としての有効利用/ 開発分譲、買換による土地の有効利用/ 貸事務所ビルの特徴と推進ポイント/ 賃貸マンション・アパートの推進ポイント/ 外国人向マンションの推進ポイント/ 貸店舗の特徴と推進ポイント/ ホテルの特徴と推進ポイント/ スポーツ施設の特徴と推進ポイント/ ファミリーレストランの特徴と推進ポイント/ 駐車場の特徴と推進ポイント/ 郊外立地の新しい不動産利用形態/ ニーズに合った事業方式の選択/ 等価交換方式とは/ 事業受託方式の特徴/ 土地信託方式の効用と推進ポイント/ 借地権設定方式の有効性/ 不動産の有効活用は施主寄りの発想が必要/ オーナーへの具体的アプローチ/ 土地所有者のニーズにマッチしたアプローチ/ 物件調査のポイント/ 個別分析と地域分析のポイント/ 事業化に当たってはきめ細かい市場調査を/ 外部戦力を組織する/ 不動産の有効利用のマスタープランの作成/ 設計事務所の活用のポイント/ 建設会社の選定のポイント/ 事業採算計画のたて方/ 資金計画の検討手順/ 不動産賃貸業の経営的特色を生かす/ 入居テナント斡旋の推進ポイント/ メンテナンスは建物の品格を決める/ 管理会社選択のポイント/ 不動産取引推進には節税アドバイスを/ 相続財産の評価額を減少させよう/ 生前贈与による節税効果をアピールしよう/ 債務控除の制度を有効活用しよう/ 不動産オーナーのバランスシートをつかむ/ 相続税の評価額を算出する/ 事業承継の節税プランを提案する/ 不動産譲渡所得税の算出のポイント/ 所得税対策が図れる管理会社の設立/ 株式対策と資産対策/ 再開発プロジェクトはビジネスチャンスの宝庫/ 再開発事業は地方自治体からの情報が大事/ 企業誘致を地場活性化につなげよう/ 再開発の専門セクションを作ろう/ 企業誘致の担当者を置く/ 企業誘致の担当部署のヒアリング/ 企業誘致は進出企業のリスク軽減の設備が必要/ 各種情報提供で企業誘致に取組む/ 誘致企業のリストアップ/ 競合他行と差別化を図るサービス/ 第三セクターや組合との取引/ 地元大口地権者との取引を拡大しよう/

       copyrght(c).土地の買い方ガイド.all rights reserved

スポンサーリンク

プライバシーポリシー