土地信託を利用する場合の採算性の可否

 土地信託を利用する場合に、採算性の可否をどのように考え、判断したらよいのでしょうか。
 土地信託は、収益保証・元本保証がないので採算性の問題は、事前に十分検討しておく必要があります。特に、委託者が個人の場合には、キャッシュフローベースで赤字を出さないことが不可欠の条件になります。
 通常、キャッシュフローベースの収支は、会計上の損益に比して、かなり厳しいものになります。これは前者の場合には借入金(銀行借り入れ、保証金など)の返済元金
 所得税(または法人税)住民税・事業税を各期の収入から、負担しなければならないためです。
 実際には、案件ごとに物件の概要を調査したうえで、事業収支のシミュレーションを行い、採算性の改善策を考えます。その場合前記の借入金、所得税をどのように圧縮するかが中心課題になります。
 借入金については、返済期間の長期化・等価交換の併用などによる当初借入金額の圧縮、所得税については、対象不動産の所有名義の分散化や、みなし法人税の選択による節税を検討します。
 委託者兼受益者が、土地のみを信託し、必要資金については全面的に借入金に依存する場合、すなわわち自己資金はなく、等価交換の併用もしない場合に、キヤッシュフローベースで赤字を出さない一応の目安は賃貸事業の場合、事務所ビルでもマンションでも専用床の月額賃料が8000円/坪以上確保可能であることです。
 事業資金の金利負担を考えるとこれが最低の条件となります。
 もちろん、レンタブル比・容積率により、かなりの差異がありますし、事業資金の調達方法、期待する利益額などさまざまですから一概にはいえません。
 具体案件の処理にあたっては、必ず、収支シミュレーションをしたうえで判断することとなります。

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 建物完成後の管理・運用については、受託者である信託銀行の側で、どこまでしてもらえるのでしょうか。
 賃借人の募集、物件所在地の最寄支店で募集活動、不動産業者を使っての募集活動、取引先への紹介、賃借人との賃貸借契約締結、賃料など入金管理・期日管理、返済元利金支払・固定資産税など支払事務、共有部分管理(管理会社へ委託)、修繕積立金など将来の補修に備えての資金管理運用(金銭信託運用など)になります。
 受託者である信託銀行が、建築費などにあてるため借入行為をする場合、その際の、借入金利はどのくらいになるてしょうか。また、担保はどうするのでしょうか。
 期間とか利払い条件、その他付帯メリットによって違いますが、一応長期プライムレートの水準が目処となるでしょう。
 担保については、土地と建物の両方に抵当権を設定します。
 信託銀行の受け取る信託報酬は、どのようにして決るのでしょうか。
 土地信託における受託者の職務は、極めて多岐にわたり、かつその難易度も、相当の幅があります。
 一方、信託銀行が収受できる報酬の上限は、各行が財務省宛届け出ている「業務方法書」に定められていますが、銀行によって異っている現状にあります。
 したがって、一律に水準を決めるのは困難ですが、以下にあげる水準を一応の目処とし、参考にして下さい。
 信託設定から、建物の完成までの間は、信託収入がないので、信託報酬は、対象不動産の固定資産税評価額基準として定められます。一般的には50/100が目安になるでしょう。
 賃貸期間中の信託報酬は、賃貸収入の10%が目安になるでしょう。
 土地信託を用いた場合の不動産登記について、土地の信託時信託による委託者から、受託者への所有権移転登記、さらに信託登記を行う。前者についての登録免許税は非課税、後者についての登録免許税は6/1000
 借入時、信託財産たる土地に対し、貸出金融機関が抵当権設定登記を行います。
 建物完成時、受託者名義で建物の保存登記を行います。

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