土地信託の仕組み

 土地信託とは、土地所有者(委託者)が、土地を有効に利用して、収益を上げる目的で、土地を信託銀行(受託者)に、信託することから始まります。土地所有者は、信託の受益者となります。
 信託銀行は、委託者の意向を尊重しながら、土地の最適な利用方法を検討し、事業計画を作成します。そして土地所有者の希望する利用目的にしたがって、例えば建物賃貸事業であれば、建物の建設・所要資金の調達・テナントの募集・家賃などの収受・建物の管理に至るまで、一貫してお引き受けします。
 そして、賃料収入から諸経費を支払った後の収益を、土地所有者に配当する仕組みとなっています。
土地信託
 委託者とは、信託をする人のことです。受託者とは、信託を引き受ける人(信託銀行)のことです。信託とは、ある人(委託者)が、法律行為(信託行為)によって、財産権を信頼のできる他人(受託者)に引き渡し、ある人(受益者)のために、ある目的(委託者が信託することによって達成しようとする目的、信託目的)にそって、その財産権(信託される財産、信託財産)を管理・処分してもらう制度で、受託者の財産管理能力と人格とに対する委託者の信頼を基礎として成り立ち、存続する関係です。受益者とは、信託の利益を受ける人のことです。また、信託できる財産権には次の6種類のものがあります。
 信託できる財産権 - 金銭、有価証券、金銭債権、動産、土地およびその定着物、地上権および土地賃借権、土地信託の仕組みを、この図にのっとって説明すると次のとおりです。
土地信託
 土地所有者からのご依頼を受けた信託銀行は、まず、その土地の現況および所在地周辺の状況を調査し、その土地を利用してどんな事業ができるか、事業の将来性はあるかなど詳細に検討し、土地信託として事業の執行が可能であれば、土地の利用計画書を作成します。そのうえで土地所有者に説明し、所有者の意向を盛り込んで、収支のシミュレーションを行って計画を煮つめます。最終的に土地所有者と事業計画について合意が得られれば、基本協定を締結します。
 この基本協定には、通常、建物の仕様や価格、近隣対策問題などを定めることになりますが、時には請負が予定される建設会社や、入居を希望するテナントも、協定に参加するケースもあります。
 基本協定書に基づき、具体的な建築プランの検討や、建設会社の決定、建設スケジュールやテナントの見通しの検討を重ね、事業執行の詳細が決定したところで、土地所有者は信託銀行との間に土地信託契約を締結し、土地を信託します。この際、土地の所有権は信託銀行へ移行されます。(所有権移転登記)さらに、信託された土地に信託登記を行います。
 土地所有者は、土地の信託と引き換えに、土地信託の受益権を取得し、土地信託の受益者となります。
 信託銀行は、基本協定や信託契約に定められた目的にしたがって、建設会社と工事請負契約を締結し、建物を発注します。
 建築代金支払いに必要な資金は、信託銀行が金融機関から借り入れ、調達します。
 建物が完成すると、信託銀行は建設会社に建築代金を支払い、建物の引き渡しを受けます。
 信託銀行は、信託契約に定められた目的にしたがって、テナントを募集し、建物の賃貸を行います。具体的には、テナントの募集・決定・賃貸借契約の締結・入居保証金および賃料の収受や運用などを行います。
 信託財産である土地・建物の保守管理は、受託者である信託銀行が行いますが、受託者が自ら行うよりも、専門の管理会社に委託した方が効率的な場合、受託者はその業務を第三者に委託することもあります。これは、あらかじめ信託契約で定めておくことになります。
 受託者は、建物の賃貸による賃料・共益費などを収受し、この中から借入金の元利返済金・土地建物の固定資産税および都市計画税・建物の火災保険料・管理諸費用および信託報酬などを差し引き、残りを受益者(土地所有者)に配当します。
 信託期間の満了などにより信託が終了しますと信託財産である土地と建物は、現状有姿のまま、受益者(土地所有者)に返還されます。テナントとの契約は、受益者(土地所有者)がそのまま受け継ぐことになり、建物を取り壊して、更地化のうえ返還されるわけではありません。
 また、受益者は信託契約の満了時に、信託財産の返還を受けても、自分で管理することができないなどの事情があれば、信託契約を延長することもできます。
 なお、信託期間の途中で信託契約を解約することは、原則としてできませんが、経済情勢の変化、その他のやむを得ない事由により、受託者が信託目的の達成・信託事務の遂行が、不可能または著しく困難と認められた場合や、受益者がやむを得ない事由により、信託の解約を申し出た場合には、受託者と受益者で協議のうえ、途中で解約することもできます。

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