土地財産権の特殊性

 土地財産権の特殊性に注目すれば、土地は、いうまでもなく、あらゆる人間の生活、生産活動の絶対不可欠な基礎をなしており、土地なくして人間は一日も生きてゆくことができない。そして土地は他の物と異なるさまざまの特殊性をもっている。
 第一に、土地それ自体は、他の物のように人間の労働によって新たにつくり出すことのできないものであり、自然的条件として人間に与えられたものである。人間は、土地の上に資本と労働を投下し、土地を利用することはできても、それを新しくつくり出すことはできない。

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 第二に、したがってまた土地は有限なものであり、土地に対する人間の支配は、限られた地表の一部に対する独占としてあらわれる。そして、限られた土地をいかに利用するかをめぐって競争と対立が起らざるをえない。
 第三に、それは単に有限であるだけでなく、動かすことのできないものであり、また一つ一つの地表の特性に応じて代替性のないものであるために、土地利用の自然的条件は制限されている。もちろん、技術の発達によって歴史的にその条件は変化するが、それにもかかわらず、土地の位置とそれを取りまく自然的条件のもつ制約性は大きく、利用者にとっては、どこの土地でもよいというわけにゆかない。このことが、土地利用をめぐる競争と対立をいっそう深刻にさせる。
 第四に、土地は連続性をもってつながっており、したがってある人の土地利用は、周辺の連続した土地の利用に不可避的に影響を与えざるをえない。たとえば自己の土地にマンションや工場を建てるのは自由だといっても、その建築の結果は、ただちに周辺の土地利用者の環境に影響を与える。一つの土地利用は、他の土地利用と相互に密接な関連をもっている。
 第五に、また別な観点からみるなら、同一の土地は、それを直接に利用している人間にとってのみならず、他の人間にとっても多面的な使用価値をもっている。たとえば都市部に存在する農地を例にとれば、それは農民にとっては農業経営の基礎となる土地利用であるが、周辺の住民にとっては、都市に残された緑地としての自然環境であり、また火災、地震にさいしての避難地区でもありうる等である。同様に、森林は、林業者にとっては林業利用の対象であるが、同時に農業者にとっては農業用水確保の源泉であり、地域住民にとっては洪水の危険を防ぐためのものとなっている。さらに、それは、不特定多数の一般の人にとっては、景観維持、観光、レクリエーション等の対象でありうる。それゆえ、森林所有者が、森林を荒廃させれば、その人にとってのマイナスのみならず、農地も荒れ、洪水も起り、景観も悪くなる等、森林所有者以外の人にとってもマイナスを件うのです。

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